世界の土木遺産

バリ島の棚田(インドネシア・バリ島)
造形美には圧倒されるテカガランの棚田
■ 造形美には圧倒されるテカガランの棚田

神々と人々によって守られてきた「バリ島の棚田」

雄大なスケールのジャテルイの棚田
■ 雄大なスケールのジャテルイの棚田

神々が棲む祭礼の島、インドネシア・バリ島。土着信仰と融合したバリヒンドゥー教や独特の伝統芸能・芸術で知られるこの島には、少なくとも千年の時を越え今なお受け継がれている、極めて美しい棚田が広がっている。その景観は「まるで日本の農村の原風景」と称されるが、周囲の椰子の木が日本の棚田との違いを感じさせる。
バリ島はジャワ島の東、南緯8度東経115度に位置する火山島である。東京都の約2.5 倍の面積(5,633km2)に約312万人が暮らしている。島の中央には標高2,000〜3,000m級の山々が並び、平地は少なく傾斜地が多い。平均気温は25〜30度と高く一年を通じて気温の変化が少ない。11〜4月が雨季で年間降雨量は2,000mmを超え、山岳部はさらに多い。
バリの棚田は島の南側斜面に広く分布し、地形によってその姿は二分される。タバナン県のバトゥカウ寺院に近い「ジャテルイの棚田」は、尾根の穏やかな斜面に段差の低い、区画の大きな棚田が整然と続き、その眺めは雄大である。一方、ウブド近郊の「テガラランの棚田」は、谷の急斜面に張りつくように造られたため段差が高く、区画の小さな棚田の造形美に圧倒される。稲作にかかわる全ての作業は神事として位置づけられ、深く信仰する人々によっていまも受け継がれている。

【アクセス】
ングラ・ライ空港より車で約60分でウブドへ。

【地図】
googleマップでバリ島の棚田の位置を確認する

「Consultant」230号

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「土木遺産II アジア編」 <<コチラにも掲載されています。
「土木遺産II アジア編」
ダイヤモンド社刊

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