首都オスロに次ぐノルウェー第2の都市ベルゲン。この街の港に面した北東側の一角に「ブリッゲン(埠頭の意味)」と呼ばれる路地までもが木で造られた特異な景観を魅せる古い街並みがある。
ブリッゲン地区は、氷河によってU字に深く侵食されたフィヨルドと多くの島に囲まれた港町で、14世紀頃にドイツから来たハンザ商人たちが商館を開設し、居住を許された地域である。港に面した正面にはカラフルで見栄えの良い三角屋根の建造物が立ち並び、その内側には木製の板張りの細い路地が迷路のように張り巡らされている。それゆえブリッゲン地区の人々が最も恐れたのは火災である。1702年までに少なくとも7回の火災に見舞われ、特に1476年と1702年の大火では、ほとんどの建物が焼失した。そのため現在残されている建物は、1702年以降に復興されたものである。
度重なる火災に遭うたびに、人々は焼け落ちた瓦礫や木材を埋め立て、その上に新しい街を築いてきた。そしてハンザ商人がいなくなっても、この町を誇りに思う住民の手によって、ブリッゲン地区は今も息づいている。この地区一帯は1972年に世界遺産として登録された。
【アクセス】
首都オスロより西北西約300km(空路で約50分、ベルゲン急行で約7時間)。
ブリッゲン地区はベルゲン駅から北へ900m。
【地図】
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