世界の土木遺産

ドロットニングホルムの庭園(スウェーデン、ドロットニングホルム)
宮殿2階から望むバロック庭園
■ 宮殿2階から望むバロック庭園

王室の歴史を伝える「ドロットニングホルムの庭園」

平面図(案内板より)
■ 平面図(案内板より)

ドロットニングホルムの庭園は、ストックホルム王宮の西方、メーラレン湖上のローヴ島にあるスウェーデン王家の庭園である。
庭園の面積は約90ha。東京ドーム19個分の広さがあり、周囲に点在する宮殿や森林を含めると127haに及ぶ。庭園では17世紀のバロック庭園、18世紀末の英国庭園、両者の移行期のロココ庭園の3様式が見られ、ヨーロッパ庭園史を振り返ることができる。
16世紀のヨーロッパ諸国は、産業と輸出の振興による財政強化や常備軍の整備とともに、官僚制を整えて国王が国の頂点に立つ、フランス宮廷の統治方法「絶対王政」を取り入れていた。そうした中で、フランス宮廷の宮殿と庭園は王の財力や先進性を示し権威を高める施設として、社交や遊興の場として使われた。また宮殿内には王族の功績を示す絵画や各国王家の肖像画、神話をモチーフにした絵画が飾られ、王の教養の高さを示すとともに教養を身につける場でもあった。湖に姿を映す宮殿は絵に描いたような美しさである。
ドロットニングホルムの庭園は、周囲の宮殿や劇場をはじめとする幾つかの施設とともにユネスコの世界遺産に登録されている。王家が作り上げた庭園は一年中利用できる憩いの場として市民に親しまれている。

【アクセス】
ストックホルム中心より地下鉄で「ブロンマプラン」下車し路線バスで約10分。またはストックホルム市庁舎前から船で約50分。

【地図】
googleマップでドロットニングホルムの庭園の位置を確認する

「Consultant」242号

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