イタリア・ローマから南東に一直線に延びている道がある。ローマの最高位者ケンソル(財務官)であったアッピウス・クラウディウスが立案し、紀元前312年に建設が始まった最初のローマ街道、それがアッピア街道である。アッピウス自ら総監督として敷設したためアッピア街道の名がついた。因みにこのアッピウス・クラウディウスという人物、ローマのインフラのもう一つの雄であるローマ水道の立案者でもある。
「すべての道はローマに通ず」の言葉通り、ローマ街道網は375本の幹線だけでも8万km以上、支線を加えると15万kmはあったといわれる。現在でも旧ローマ帝国の支配地域では、その痕跡が随所で見られる。
アッピア街道は最初のローマ街道であるだけでなく、ローマ街道はどうあるべきかのモデルでもあった。それゆえ「街道の女王」と呼ぶにふさわしい道である。その目的は、機能的な軍用道路の建設にあった。その基本的な舗装構造は現代の道路と酷似している。
建国から400年経ってローマの支配地域が広がるにつれ、軍隊の敏速な移動が必要となった。アッピア街道も最初はローマが制覇した南端のカプアまで建設されたがその後、ローマが征服した都市、ベネヴェント、ヴェノーザ、ターラントまで延長された。終点のアドリア海に面する港町ブリンディシへの開通までにはおよそ70年を要している。
【アクセス】
地下鉄 A線で Colli Albani まで行き,バスロータリーから660番のバスで終点まで。
またはヴェネツィア広場からアルケオバスにてアッピア街道付近へ。
【地図】
googleマップでアッピア街道の位置を確認する
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