湿地
-保全と再生に向けて-
湿地は炭酸ガス、栄養塩の保持、水の浄化といった物理的特性と鶴や鴨といった鳥類の貴重な骨休めの場所、イトウやハゼといった魚類、カニなどの底棲生物の住処として、
また、水芭蕉やワタスゲなどの植物の繁殖地となっている。
しかし、この貴重な湿地は1900 年代後半から農耕地や埋立地へと急速に姿を変え、 その結果、水質の汚濁や数多くの貴重な動植物を失なったばかりか、渡り鳥の生育の場や炭酸ガスの貯留機能を失うなど地球規模の環境にも影響を与えている。
地球温暖化による異常気象の発生や我々人間の人体への悪影響が叫ばれる中、生活環境ばかりでなく、 地球環境の一員である人間として、また土木技術者として、動植物の生活環境、自然環境、地球環境の悪化に歯止めをかけ、適正な生態系を保持し、
地球環境を守り、維持し続ける一つの方策として、湿地の保全と再生に向けてのさらなる取組が必要と考える。
大切な自然環境は我々だけのものではない。子や孫に、末代まで湿地を良好な状態で残していきたい。
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