京都
-古都の美とまちづくり-
千年の時間をかけて、日本文化を熟成してきた京都。その根底にあったのは自然と共にあることを理想とする精神であった。京都の自然景観や季節感は日本人のスタンダードをかたちつくってきたといっても過言ではない。
京都三山・鴨川・桂川など周辺の美しい自然と融合し、個性的な魅力を形成してきた京都、その歴史の中で市民は古都の美を育み、今に息づく伝統的な生活文化と環境、町並み景観を継承してきた。
その歴史の中で繰り返されてきた京都景観論争、そこには単に景観という単一的要素だけでなく、千年以上の文化に裏打ちされた京都の人々のまちづくりに対する美の価値観と誇りが垣間見られる。
脈々と受け継がれてきた歴史、文化、風土、そして古都のまちづくりに対する美意識は、現代社会のまちづくりにどのように活かされ、今後の近代開発とどのように調和を図ろうとしているのか、まちづくりの美を考える上で、古都・京都から学ぶべき点は多いはずだ。
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