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日数25020015010050019991998199719961995199419931992199119891988198719831982198119801979197819761975197419728007006005004003002001000距離(km)水域0.5%森林6.6%市街地0.6%灌漑農地6.1%裸地8.9%非灌漑農地20.1%草地51.3%灌木5.5%湿地0.3%断流距離(km)断流の発生日数(日)図3黄河流域の土地利用図4黄河の断流日数と断流距離の変遷■地表水過剰開発区域■浅層地下水過剰取水区域■深層地下水過剰取水区域図5中国の地下水汲み上げ過剰区域(2 0 12年)図6北京近郊の地下水位変遷(1999年まで)けた。最新データは公表されていないので詳細は不明であるが、2012年の状況は図5や図6のように、黄河の北に隣接する海河流域が過剰揚水地域になっている。北京や西安でも同じ状況である。2012年の北京市の一人当たりの供給可能水量は年間200m 3、西安では262m 3である。西安でも2000年までは年間30cm地下水位は低下し、ひどいところでは地表面から30m下というところもあったが、地下水の汲み出しは徐々に禁止され、2000~2010年まで地区によって2.0~6.5mと水位が上昇している。しかし、地下水を依然として利用し、地下水位の低下が続いているところも見られる。なお、地下水の水質については公表されていないが、農業地帯では硝酸塩濃度が高い。工業化による水利用量の減少は、70%近い農業用水量を左右するにはまだ至っていない。北京周辺や海河流域の水不足を緩和するために、長江水系から海河に送る東線水路と中線水路がすでに一期工事を終え運用を開始している。両者で送水量は年間184億m 3に及んでいる。長江から黄河上流に送水する西線も検討されている。四横三縦(長江、淮河、黄河、海河と東線、中線、西線水路を繋ぐ意味)プロジェクトでは、東線は江都站から天津に至る延長1,156km、途中黄河まで65mを揚水している。中線は長江支流にある丹江口ダムから黄河の下を潜り北京に至る延長1,267km、ほぼ自然流下で流している。この送水は環境影響の大きさは無視できないとする意見も少なくない(図7、写真1)。オーストラリアマレー・ダーリング川流域の事情オーストラリア東南部の乾燥地域にあるマレー川(延長3,375km)とダーリング川(延長2,350km)流域では、飲料水や灌漑と生態系保全のために、河川の流量、水質の確保、土壌中の塩分の地表面近傍への析出防止と河川への溶出防止が主要課題になっている。流域の統合的マネジメントとしては極めて優れた例になる。マレー・ダーリング流域の年間降水量は200~1,200mm程度で、平均は425mmである。年間流出量は24兆m 3である。この流域の地下水は塩水である。2010016Civil Engineering Consultant VOL.267 April 2015