ブックタイトルConsultant267号

ページ
23/88

このページは Consultant267号 の電子ブックに掲載されている23ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

Consultant267号

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

Consultant267号

写真9琵琶湖畔ヨシ原写真10藻刈り清掃写真11ノウルシ群生地写真12栃の苗木人の手が加わることで、生き物たちの生育場所ができ、水に関わる多様な生き物を育てることができる。人と生き物を潤す環境づくりを進めていくことで、琵琶湖の環境保全につながると考えて続けている。「かばた」を守ることが水を守ること私たちに命の水を与えてくれる「生水」が、永久に枯れることなく湧くようにと願い、水源の保全活動として「みどりのダムづくり」をしている。針江大川の藻刈り清とち掃の時に出た藻を捨てた田に、栃の苗木を植え育て、水の恩恵を受けている水源の山に戻した。それは500年後の大木を夢見て、山から里へ流れ来る「生水」に感謝と祈りを込めた里帰り植樹である。500年の歳月をかけて育った大木がむやみに切り倒されているのは非常に残念であり、植樹も大切な活動であると考えている。水の惑星と言われている地球上には水が溢れていると思いがちであるが、9割以上が海水で、実際にはほとんどが飲み水に適さないという。地球温暖化や家畜の放牧による砂漠化が進む国や、水資源があっても適切に使うための水路や浄化設備などが整わず、飲み水として使用できない国もある。水辺空間の再生が世界に広まることによって、水資源の確保や水環境の重要性を、真剣に考える時代にきている。そんな重要問題を世界が掲げている中、皮肉にもここんこんこ針江には滾々と「生水」が湧き出ている。私たちにできる事は、針江地区の一人ひとりが持続可能な自然のサイクルに関わり、生き物たちと共生する里山を守ること、そして先人が築き上げた理にかなった知恵「かばた文化」を守り伝え続けることである。<現地見学に際して>見学には各家の敷地に立ち入るため事前予約が必要。針江生水の郷委員会(http://www.hariekabata.com)(滋賀県高島市新旭町針江372駐車場有)TEL:0740-25-6566(10~16時、冬季15時)Civil Engineering Consultant VOL.267 April 2015021