ブックタイトルConsultant267号

ページ
31/88

このページは Consultant267号 の電子ブックに掲載されている31ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

Consultant267号

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

Consultant267号

Swing Water Net)をベースとした維持管理システムを業務に活用している。例えば、従来紙ベースで作成していた点検報告作業では、タブレット端末により電子化することで点検漏れや記入ミスを防ぐなど、職員の経験や熟練度に関係なく作業結果を均質化している。また、施設情報をデータベース化し、設備諸元や故障履歴などを随時記録することで、適切な運転管理や予防保全によるライフサイクルコストの縮減、異常発生時の早期対応などに活用している。水みらい広島が更に力を入れている取り組みは「人材育成」である。日常業務においては、県職員と水ing職員の役割を分けず同じ業務に従事することで公民の相互補完を図っている。ここでもICTを活用し、日々の作業で撮影した映像をビジュアルマニュアルとして編集、保存し、職員のタブレット端末で共有する環境を整備している。加えて、県や水ingの施設、外部研修機関も活用し、技術力の向上や水道マンとしての責任感醸成などにも取り組んでいる。これらの人材育成策により、職員個人のスキルアップはもとより、技術継承、外注業務の内製化によるコスト縮減、危機対応力の向上を図り、ひいては「広島県全体に水道技術者を残す」使命の実現を目指している。水みらい広島は、2015年4月より、福山市、尾道市、三原市などを給水区域とする広島県営沼田川水道(計画給水人口729,700人)の指定管理業務がスタートする。また、既に江田島市や呉市より水道事業の一部業務を新たな事業として受託している。更に、県内の新卒者をプロパー職員として採用し、広島県に根ざした企業として着実に歩みを進めている。わが国の水ビジネスの将来水は、人々の命や生活、そして社会を支える最も貴重な資源である。その貴重な資源を安定して供給する水ビジネスもまた、重要な役割を担っている。これからの水ビジネスにおいては、事業運営(マネジメント)の重要性が増大するであろう。しかしながら、そのベースには従前からの技術(ハードウェア)や運転・維持管理(ソフトウェア)の両輪が必須であり、更に全体を支える人材が必要不可欠である。わが国には、環境や省エネに配慮しながら、安心、安全、良質な水を安定供給し続けるハードウェア、ソフトウェア、人材という強みがある。公民連携の流れを加速させ、そのモデルを磨き上げることで、水ビジネスとして世界に貢献できると信じている。水ingは、80年以上水ビジネスとともに歩み、水ビジネスに育てていただいた企業である。これからも公民連携のパートナーとして、国内水事業の課題解決はもとより、海外水事業展開を推進していきたい。そのことが、水ビジネスへの恩返しであると考える。広島西部地域水道用水供給水道市町水道事業調整池かくはん池沈でん池塩素混和池ポンプ取水設備沈砂池導水管着水井フロック形成池取水施設導水施設浄水施設送水施設県の業務範囲ろ過池浄水池経営計画の策定・料金改定と調定維持管理計画・水質管理基準の策定配水池維持管理(3条部分)所有建設(4条部分)水みらい広島の業務範囲県の業務範囲性能発注方式による水道施設の一体的な管理運営(運転監視、水質管理、保守点検、薬品・電力等の調達修繕、施設管理、事故・緊急時対応等)実使用水量の決定緊急時・工事施行時等の給水停止用地事務建設改良計画の策定・建設改良事業の執行資産所有・管理図2水みらい広島の業務範囲Civil Engineering Consultant VOL.267 April 2015029