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ビンバオ浄水場は、ハイフォン市の浄水場の中でも比較的小規模である。しかしながら、本事業は地道な技術協力から、日本企業の水ビジネス案件受注へと繋がった画期的な事例であり、ハイフォン市の独自資金によって実施されることから、本市の技術がベトナムにも輸出可能であることを証明するものであり、水ビジネスとしては、大きな一歩であると考えている。小規模浄水場へのU-BCF導入を成功させたハイフォン市水道公社は、次のステップとして大規模浄水場であるアンズオン浄水場(処理量10万m 3 /日)にU-BCFを導入するため、日本政府に対して援助を要請した。それを受けてJICAは、無償資金協力を前提とした協力準備調査を行うこととなった。現在この事業に、北九州市海外水ビジネス推進協議会会員企業を含む共同体が参画しており、2014年度の業務完了を目指している。アンズオン浄水場に本格的なU-BCFが整備されることになれば、ショーケースとして、ベトナムの多くの水道関係者にU-BCFを直接目で見てもらうことができるものと大いに期待している。さらに2013年5月、本市上下水道局とハイフォン市水道公社は、同様の水質汚染問題を抱えるベトナムの水道事業体に、広くこのU-BCFを普及させるべく「ベトナム国におけるU-BCF普及に向けた相互協力協定」を締結した。2014年には、ベトナム最大の都市で写真3 JICA草の根技術協力事業でのデモプラントの設置写真4ビンバオ浄水場で稼動中のU-BCFあるホーチミン市で実証実験を行い、U-BCFの有効性今、少しずつではあるが、徐々に芽を出しつつある。上下を1年かけて検証したところである。また、ベトナムの主水道は人々の生活を支えるライフラインの根幹であり、要7都市では、本市とハイフォン市水道公社の職員がそ今後、東南アジアを中心に多くの国や地域に普及するとれらの都市を訪問してU-BCFの紹介を行い、現地水質見込まれている。等の初期調査が完了している。今後は調査対象都市に今後も、相手国との信頼関係を大切にしながら、その対して、事業化に向けた取組を進めていく予定である。国の生活水準向上や産業インフラ整備を手伝っていくことで、相互にWIN-WINとなる関係づくりに努めるととも地元企業の振興にに、将来的にはより大きな事業に挑戦し、民間企業、特本市の水ビジネスは、国際技術協力から続く地道なに、ものづくりのまち北九州で培った高い技術を有する取り組みが堆肥となり、水ビジネスという新たな土壌で地元企業の振興の一翼を担っていきたいと考えている。Civil Engineering Consultant VOL.267 April 2015033