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どもでています。不確実さはそれなりにありますが、変化の傾向がわかる予測が得られています。不確実性との向き合い方村田:健全な水循環を考える上で、温暖化はどのような影響を与えるのですか。気候変動に対する緩和策の進展程度に応じて、温室効果ガス濃度が変動するため、適応策の前提となる気候変動にも複数のシナリオが想定されています。この場合、治水や利水に対するリスクはどのように評価すべきですか。池淵:温暖化の水分野への影響は図2のようにいろいろあります。温暖化の進行予測にあってはCO2排出削減を目指す緩和策がいくつかのシナリオとして描かれています。国内外を含めて削減目標の設定は議論の大きいところです。シナリオシミュレーション結果の確率処理によって、治水や利水のための施設整備の計画外力を定めてよいかどうか慎重な検討が必要です。既存施設の治水や利水の安全度を維持するためには、明らかに容量を増やさない限りは対応できないとしても、いままで実績値に基づく考えで行ってきたことと違う考え方も必要です。不確実性のある中で意思決定するのは簡単ではありません。不確実性の内容が、今まで扱って来たものとは違う側面を持っています。村田:今、そのシナリオは、どのくらいあるのですか。池淵:今は、21世紀末でCO2濃度がどれぐらいになるのか、濃度が漸増するシナリオで、このままなにもしないケース(970ppm)から、860、700、540ppmなどがあります。エコや環境技術が進むと700ppm、京都議定書の時は全球で860ppmくらいでした。図1降水量の変化図2地球温暖化が水分野にもたらす脅威村田:そういう意味では、緩和策と合わせて、最大から方、適応策についても例えば、治水容量をアップするた最少まで幅広く検討されている中で、どのシナリオを選めに既存のダムを嵩上げし、利水容量については、もっぶかということが非常に大きな問題ですね。とマネジマントで水需要を減らし、容量を増やすことと池淵:どれか選べるのか、という視点もあります。緩和連携させて、運用・融通し合うとかの適応策があります。策としてエネルギー構成割合、再生可能エネルギー、低温暖化の予測精度やリスク評価の精度を上げると同時炭素社会、交通流・物流のエコ化・省エネ化などが、一に、監視体制も強化する必要があります。Civil Engineering Consultant VOL.267 April 2015003