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写真6一面に広がる砂写真7インダス川あったが…。当然、自由に外をジョギングすることもできず、週末はホテルでテニスや卓球、水泳をしたり、ジムに行って気分転換を図った。平和なタールパーカー県タールパーカー県は最貧地域ではあるものの、国内で最も平和な地域と言われている。自然と人間が共存するのどかな砂漠地帯で、一面が砂と草地、低木であり、夕日が美しい。この地域では、ラクダやロバを運搬や生計手段として使いながら、ヤギや牛の放牧を行う住民を多数みかけた。こうした家畜は地元住民にとって高価な資産であり、ラクダの行列を導く男性を、「億万長者だ!」と呼んでいるのを聞いた。また、この地域は地下水の塩分濃度が高く、良質な飲料水の確保が難しいことや干ばつの影響を受けやすいといった問題があり、多数の子供たちが栄養失調で命を落としていることが報道されていた。モンスーン期には地下水位が上昇し、塩害が発生する。そこで、政府は1990年代に人工の排水路を建設し、農地の地下水をポンプで汲み上げて、この塩水排水専用排水路に放出している。ビジネス環境パキスタンでは小学校から英語の授業があり、多くの人が英語を流暢に話し、ビジネスはしやすい国である。ただし、ラマダンの時期は日中に断食し、夕方には集中力が落ちるため、午前にやりとりすることと、イード(ラマダン明けや巡礼後の連休)の休暇時期を考慮して仕事を進めることが注意点である。人気スポーツダントツに人気が高いのはクリケットであり、子供たちが道端で遊んでいるのをよく見かけた。また、ブルカをした女性が重量挙げをしている写真が新聞に掲載されていて驚いた。インダス川インダス川はインドからカシミール地方に入り、パキスタンを縦断するように南へ流れてアラビア海に出る。川には数十kmおきに堰が設置されており、そこから左右に取水して血管のように農業用水路が延びる。農作物はさとうきび、小麦、コメ等であり、インダス川なくして、インダス文明は発展し得なかった。自然保護パキスタンでは国際自然保護連写真8重量挙げ(KARACHI TRIBUNE誌)合(IUCN)や世界自然保護基金(WWF)といったNGOが活発に活動しており、IUCNレッドデータブックに登録されている貴重種の保護活動を行っている。WWFはインダス川に住むインダスイルカの保護に取り組んでいる。モンスーン期になるとインダスイルカが用水路に入り込み、乾季に水位が下がって逃げ場を失い犠牲になるケースが相次いだ。そこで、用水路に入ったインダスイルカを捕獲して本流に戻し、成果を上げている。また、カラチ市西南部のアラビア海岸に湿地保護センターを設け、マングローブの保護をしている。シンド州野生動物課はアラビア海岸沿いにウミガメの孵化施設を設け、野良犬などから卵を保護している。Made in Japanへの信頼パキスタンでは派手に装飾されたデコレーショントラックを多く見054Civil Engineering Consultant VOL.267 April 2015