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写真9 WWFの湿地保護センター写真10ウミガメ孵化施設かける。日本と同じく左側通行であり、多くの日本製中古車がそのまま走っている。数十年前の日本製中古車が現役で活躍しているのは嬉しい。「〇〇自動車教習所」と書かれたままの中型バスや、車庫証明のシールが貼ったままの乗用車があるのは面白い。また、ハイデラバード北部のジャムショロ県にある火力発電所には中国製と日本製のガス・重油タービンが並列で設置されている。稼働から約25年を経た現在、正常に動いているのは日本製タービンのみだった。現地の人が「日本製が一番だ」と評価してくれていた。停電の多い国パキスタンでは、全国平均で1日12時間以上も停電している状況で、電力不足の解消が喫緊の課題である。カラチ市やイスラマバード市などの大都市ではさほど気にならないが、タールパーカー県では夜中に突然停電し、辺り一面真っ暗になる。ハイデラバード市では毎朝2時間の計画停電が行われており、真っ暗闇の中、携帯電話のライトで報告書を仕上げたこともあった。安定した電力供給は産業発展の写真11デコレーショントラック要であり、政府は発電所増設計画を推し進めている。パキスタンの人々と社会プロジェクトを通じて知り合ったパキスタンの人々は、とても賢く品がある。一方、パキスタンでは教育を受けられる女性はまだ少なく、働く女性も少ないものの、国会議員に占める女性の割合は22%で世界ランキング50位と高く、意外な一面に驚かされた。ちなみに、日本は11%で同125位(2011年世銀調査)だ。マンゴーの名産地パキスタンはマンゴーの産地でもある。約8割をパンジャブ州産が占め、残りはシンド州産である。滞在中の5月下旬から6月上旬はマンゴーの収穫期であり、イスラマバード写真12パキスタンマンゴーで現地協力業者がプチ・マンゴーパーティーを開いてくれた。マンゴーは半分にカットして食べるのが日本では一般的だが、こちらではマンゴーの果肉を手で柔らかくほぐした後、上部のヘタを取って、ぎゅっと握りつぶしながらそこから“飲む”方法が主流だ。贅沢な採れたてマンゴージュースを堪能できた。平和のためパキスタンでは治安上や電力不足の問題のほか、様々な政治的課題が混在している。我々建設コンサルタントが、パキスタンのインフラ整備を通して社会貢献できることも多い。2014年のノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさんのように、どんな苦境にも屈せずに、平和で幸せな国づくりの一助になればと思う。Civil Engineering Consultant VOL.267 April 2015055