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特集2渋渋滞を知る滞対策への取組み椎名啓雄SHIINA Hiroo警視庁交通部交通規制課都市交通管理室長浪川和大NAMIKAWA Kazuo警視庁交通部交通規制課都市交通管理第二係都市部における渋滞を軽減させるためには、需要に合わせて車線を増やすなどの抜本的な対策を行うとともに、限られた空間のなかで如何に効率良く交通をさばくことができるかがカギとなっている。時々刻々と変化する需要を捉え、渋滞対策を行っている東京都内の事例を紹介する。渋滞対策の考え方交通渋滞は、「交通需要」が「交通容量」を上回ることで発生する。そのため対応方法としては、「交通容量の拡大」と「交通需要の削減」に大別される。交通容量の拡大には、新たに道路・車線を増やすことにより「交通容量そのものを増大」させる方法と、道路・車線は増やすことなく、何らかの要因により低下した交通容量を「本来持っている容量に回復」させる方法がある。交通需要の削減には、自動車交通の需要量自体は削減せず、利用経路や出発時間の変更により集中する「自動車交通需要を空間的・時間的に分散」させる方法と、利用交通手段の転換、乗車・積載効率等の向上、不要不急自動車の利用抑制等により「自動車交通需要そのものを削減」する方法がある。これらの考え方を、水の流れに例えてイメージしたものが図1である。受け皿となるジョーゴから水が溢れないようにするため、ジョーゴを大きくする、または詰まりを取り除き流れを良くすることが交通容量の拡大にあたる。蛇口を他に設け別の所から流す、または蛇口を調整し流れる水量を絞ることが交通需要の削減にあたる。また対策によっては、バス・タクシー・トラック・鉄道等の運輸事業、駐車場・荷さばき施設等の整備・運用にかかわる行政機関・事業者等との協力も必要となる。建設コンサルタントは、関係行政機関等から業務委託を受け、渋滞対策を立案する上での実態調査・要因分析・対策案の検討や、道路・施設の設計、対策実施後の事後調査・評価・対策の見直し等に携わっている。渋滞対策の推進体制交通渋滞の対策は、交通事故の対策と同様に、道路の整備・維持管理を担当する道路管理者(国土交通省、都道府県、区市町村、高速道路会社等)と、交通規制・信号制御等を担当する交通管理者(警察)が主体となり、相互に協力しながら推進している。図1渋滞対策の考え方のイメージ012Civil Engineering Consultant VOL.268 July 2015