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所要時間などの情報を表示することにより、ドライバーに迂回を促し、経路の分散誘導(空間的分散)を図るものである(写真3)。本対策も「ハイパースムーズ作戦」の主要施策として整備が進められている。なお、路側情報板が設置されていない箇所等における迅速かつ柔軟な情報提供を行うため、大規模警備・イベント開催時等には、情報板を装備した車両「サインカー」を配置し、迂回情報等を提供している。また、交通管制システムで計測した渋滞状況は、VICS対応カーナビに提供されビーコンからの情報を受信できるものについては、ビーコン設置箇所を通過した際に所要時間等の情報も提供される。公共車両優先システム(PTPS)の導入バスの定時性・利便性を向上させるとともに、マイカー等からバスへ利用交通手段の転換を促し、自動車交通の総量を削減するため、PTPSを整備している。これは、信号交差点におけるバスの停車時間を極力抑えるため、路上に設置された光ビーコンとバス車載装置間で双方向通信を行い、バスの接近に伴う青時間の延長、赤時間の短縮等、バスを優先的に進行させる信号制御システムであり、バス専用通行帯(バス専用レーン)の交通規制と合わせて実施される(図5)。図5公共車両優先システムのイメージ高速道路の渋滞対策首都高速道路の渋滞対策については、首都高速道路株式会社と警視庁で定期的に実施している検討会を踏まえ、交通状況に応じた対策の見直し、新たな取り組み等を推進している。放射線と環状線が分合流するJCT付近では、首都高速道路のネットワーク整備に伴い変化する交通流動に応じた合流部の区画線改良や、近接するJCT間の拡幅による車線数増加等を推進している。上り勾配の速度低下により渋滞が発生している箇所については、注意喚起する看板の設置や、速度回復を促す表示板の試行設置を行っている。また、3号渋谷線(下り)池尻付近では、平成27年2月から、路側に設置したライトを進行方向へ流すことで無意識の速度低下を防ぐ「エスコートライト」を設置し、効果検証を進めている。今後の渋滞対策渋滞は年々減少傾向を示しているものの、いまだ解消されず快適な速度確保には至っていないため、残さ図6歩車分離式信号制御の例れたボトルネックへの対応が必要とされている。また、交通事故防止対策として信号交差点に歩車分離式信号制御を実施する場合は、歩行者専用現示(信号1周期の中で歩行者の交通流のみ通行権を与える表示時間)の秒数確保のため、車両用の青時間を短縮しなければならない(図6)。ほかにも、自転車通行環境の整備や荷さばきスペースの確保等で道路空間の再配分を実施する場合は、状況により車線数の減少等も検討しなければならない。以上のように渋滞対策に対するニーズも多様化していることから、多角的視点から渋滞対策を推進していかなければならない。Civil Engineering Consultant VOL.268 July 2015015