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表2 DID(人口集中地区)の平均信号通過時間[秒]交差点通過時間の相対ヒストグラム20%15%10%5%0%直進通過数2,890回,平均58秒左折通過数959回,平均132秒≦0≦40≦80≦120≦160≦200≦240≦280≦320≦360≦400≦440交差点通過時間[s]3分以上かかる場合が26%図6西巣鴨交差点の詳細分析結果交差点通過時間[s]時間帯別の交差点通過時間左折時間(平均±標準偏差)直進時間(平均)300240180120600登下校時間帯の左折時間が長い789 10 11 12 13 14 15 16 17 18時間帯のためには、渋滞状況の精緻な把握が重要である。そこで当社では、全国の信号交差点を対象に、プローブデータを右左折方向別に選り分けた分析に取り組んでいる(図4)。ここでは、2014年4~9月の6カ月間の平日7~19時を対象とした結果を紹介する。図5のように信号通過時間の平均値を色分けして地図上に表示すれば、混雑している地域、交差点、さらには方向まで、直感的に把握することができる。都道府県別に集計を行えば、DID(人口集中地区)における平均右折時間の最も長いのが沖縄県、次が熊本県になるといった意外な実態も浮かび上がってくる(表2)。また、箇所ごとに詳細な分析を行うこともできる。図6は、都内で特に左折時間が長かった西巣鴨交差点の分析例である。朝夕の左折時間が長い原因は、付近の高校と地下鉄駅との間の登下校者が左折車を遮断するためであることが、現地調査の結果判明している。このようにプローブデータを用いることで、従来のトラフィックカウンターでは難しかった方向別の信号通過時間等の精緻な把握が可能である。本データを用いて全国を俯瞰すると、高速ICの出入口、橋詰、幹線道路の横断方向、歩車分離式信号といった渋滞パターンが見えてくる。このような客観的なデータに基づき、交通管理者・道路管理者・市民が協調して交通を改善していくことが期待される。中央道集中工事は避けるべきか高速道路の集中工事は、時に激しい渋滞を引き起こす。2013年の中央道集中工事の際の速度コンター図(図7)によると、国立府中→調布間では、中央道の速度が並走する一般道よりも大幅に低いことがわかる。ドライバーが気にするであろう迂回路との所要時間比較結果(図8)を見ると、国立府中→調布間においては国道20号への迂回が、八王子JCT→大泉JCT・高井戸ICにおいては圏央道・関越道への迂回が効果的であることが分かる。このようなデータを踏まえて、出発時刻の調整、他道路への迂回、さらには公共交通機関への転換等の案内を平均速度[km/h]7060504030201000 6 12 18 24八王子JCT八王子IC国立府中IC稲城IC調布IC高井戸IC中央道上り激しい渋滞国道20号上り0 6 12 18 24国立府中→調布:国道20号の方が速い3:303:002:302:001:301:000:300:00中央道国道20号13日14日15日16日17日18日19日20日21日22日23日八王子JCT→高井戸IC/大泉JCT:PAに立ち寄っても関越道の方が安定3:303:00中央道中央道・PA立寄2:30関越道関越道・PA立寄2:001:301:000:300:0013日14日15日16日17日18日19日20日21日22日23日図7集中工事期間中の速度コンター図(2013年5月13 ? 22日の平日1時間平均)図8迂回ルートとの所要時間比較018Civil Engineering Consultant VOL.268 July 2015