ブックタイトルConsultant268号

ページ
21/66

このページは Consultant268号 の電子ブックに掲載されている21ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

Consultant268号

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

Consultant268号

行うことが、道路インフラのメンテナンス時代を乗り切るには重要である。もちろん当社の携帯カーナビでは、リアルタイムの渋滞情報に応じた迂回路が案内される。圏央道開通による渋滞の緩和と発生道路整備の影響を精緻に観測することは、事業評価や施策立案のために欠かせない。ここでは、圏央道神奈川区間開通の影響を、2012~2014年の各7~11月にわたりモニタリングした例を紹介する。図9は、高速道路間の経路転換例である、厚木IC→鶴ヶ島JCTの経路選択図である。開通に伴い、圏央道利用の割合が35%→54%→85%と段階的に増加している。これに伴い、八王子付近の一般道、都心部の環八通り、首都高速の通過が減少していることも分かる。また区間所要時間を算出することで、渋滞の緩和や発生を捉えることができる(図10)。圏央道に並行する未開通2012年2013年2014年N=115鶴ヶ島JCT北方面流出N=239N=1703環八に49%流入未開通図中の数値は走行経路の通過率[%]圏央道未開通区間に49%流入厚木IC西方面流入図9圏央道開通に伴う経路転換例(厚木IC→鶴ヶ島IC)圏央道利用が95%国道129号の相模原愛川→橋本駅南入口については、2013年の圏央道部分開通によって渋滞が激化したものの、2014年には2012年よりもスムーズになっていることが分かる。一方で厚木IC→海老名JCTについては、1車線しかない海老名JCTの合流がボトルネックとなり、毎日のように渋滞が発生していることがわかる。このようにプローブデータを用いることで、経路転換や渋滞の緩和・発生について、広範囲・長期にわたり、道路管理者間をまたいで網羅的に分析することができる。また地図上で分かりやすく可視化されたデータは、道路整備の在り方について市民が考える助けにもなるであろう。ドライバーと道路をつなぐ携帯カーナビ道路を「賢く使う」時代の高度な交通制御のためには、ドライバーの趣向や状況に応じたきめ細かな情報提供と、精緻・網羅的・新鮮なデータが欠かせない。携帯電話の進化・普及により、そのような双方向の情報流通が可能な社会環境は既に実現している。携帯カーナビは、ドライバーと道路をつなぎ渋滞緩和に貢献するメディアとして、今後も進化し続ける。なお渋滞分析例の一部は下記Webサイトにて公開している。https://consulting-app.navitime.biz/demo/ID:jcca, PASS:jcca(2015/11/30まで)国道129号相模原愛川→橋本駅南入口部分開通に伴う渋滞が緩和し以前よりスムーズに201220132014朝7-9時朝7-9時201220132014昼昼9-17時9-17時201220132014夕夕17-19時17-19時22.3分27.1分19.9分20.5分24.0分17. 6分20.5分25.6分18. 3分東名厚木IC→海老名JCT0:250:200:15朝夕に新たな渋滞が発生混雑が毎日発生朝7-9時朝7-9時201220132014昼9-17時昼9-17時201220132014夕17-19夕時17-19時2012201320141.7分1.7分6. 6分1.7分1.7分3. 6分1.8分1.7分11.4分0:100:050:0007/14月07/15火07/16水07/17木07/18金07/19土07/20日07/21月図10圏央道開通に伴う渋滞の緩和と発生例(時間は平均区間所要時間)Civil Engineering Consultant VOL.268 July 2015019