ブックタイトルConsultant268号

ページ
24/66

このページは Consultant268号 の電子ブックに掲載されている24ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

Consultant268号

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

Consultant268号

写真5 日本の支援で設置されたカンパラ(ウガンダ)の信号機。自動車は停止線を守っていない写真6ジャカルタのBRTもなく、そのまま残されていることが多くあります。・警察による非効率な交通管理:信号が使えない場合、警察官が手旗信号で処理することがあります。しかし、警察官に対して交通管理の教育が不十分なことも多く、信号が次に青になるまで15分以上かかるということもあります。これでは信号での待ち時間が長くなり、長い信号待ちの行列が発生します。5モータリゼーションの悪循環へ自動車の利用が進むモータリゼーションと渋滞の深刻化は相互に作用して、さらに渋滞悪化させます。渋滞によりバスやパラトランジット等も渋滞の影響を受けて所要時間が長くなります。これによって公共交通の利便性が悪化し、ますます人々は自動車やオートバイを利用するようになります。また、土地利用の観点でも郊外部で自動車利用を前提とした無秩序で散発的な開発が進むスプロール現象が発生し、多くの乗客需要を必要とする公共交通の導入が難しい都市構造になっていきます。各国での取り組み状況では、現在の開発途上国ではどのような対策が実施されているのでしょうか。開発途上国では財政的な制約や日本とは異なる習慣や制度により、独特な対策が実施されている都市もあります。ごく一部を紹介します。・3 in 1:ジャカルタでは、ピーク時には中心部の目抜き通りは3人以上乗っている自動車しか通行できません。1台の自動車に1人の乗車は非効率だからです。なぜ3人かですが、ジャカルタでは運転手を雇うのが一般的なので2人では規制にならないからです。・高額な自動車税:自動車の購入や保有の税金が非常に高い国があります。税金によって原価の3倍以上の値段がすることもあります。しかし、現実には抜け道があったり原価の安い中古車を購入したりと、十分に機能していないこともあります。・BRT(バス・ラピッド・トランジット):近年、多くの都市で導入が進んでいるのがバスを大量交通機関として高度化させたBRTです。これは、道路に専用レーンを設けてバスや車両も専用のものを用いることで、乗降による遅れを最小化して、輸送量を大きくするものです。鉄道のように2~3車両を連結し段差がないよう高い位置に扉が設置された車両として、バス停はプラットフォームになっているケースも多くあります。安価に大量の乗客を輸送するシステムを整備できることで多用され始めています(写真6)。しかしながら、開発途上国の政府だけでは解決が困難か、あるいは解決に非常に時間がかかる問題もあります。経済発展しても税収が増加するまでにはタイムラグがあります。このため、財源も限られ人材も不足しています。また、地下鉄や道路建設等の抜本的な対策には長い時間と膨大な投資、専門的な技術が必要です。一方で、法制度や交通ルールの順守徹底等にも時間がかかります。そこで、わが国をはじめとした先進国や世界銀行、アジア開発銀行等の国際金融機関が様々な支援を行っています。わが国の建設コンサルタントの取り組みわが国では、独立行政法人国際協力機構(JICA)が中心となって様々な取り組みを行っており、建設コンサルタントも事業の各段階で関わっています。また、JICA以外にも国際金融機関も同様の事業を行っており、ここでも建設コンサルタントは活躍しています。以下に、どの022Civil Engineering Consultant VOL.268 July 2015