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Consultant268号

図1プロジェクトの対象地域発が急激に進行している。事実、ブラジル環境・再生可能天然資源院(IBAMA)の報告によれば、セラードの全1,369自治体の中で、2009年に最も森林伐採が激しかったワースト10のうち、実に6自治体がジャラポン周辺であったことが判明している2)。その開発圧力の深刻さが窺い知れる。■プロジェクトの概要ジャラポン地域生態系コリドープロジェクトは、ブラジル国環境省生物多様性保全院(ICMBio)が、ジャラポン地域に生態系コリドーを導入するための体制強化を目標としている。2010年4月から2013年11月までの44カ月間実施した、国際協力機構(JICA)の技術協力プロジェクトである。生態系コリドーを導入するためには、まずそのコアとなる保護区管理が機能していることが前提となる。また、生態系コリドー導入は、連邦や州レベルの様々な関係機関と地域住民が、技術的かつ人的資源を集約させ連携し、その計画は彼らの参加により長期的視点をもって策定される必要がある。これらの課題を踏まえ、プロジェクト目標に掲げられた「体制強化」は、個人、組織、社会や地域の各レベルでの総合的な体制整備と能力強化と考えた。そして、それを達成するために、3つのコンポーネント(要素)を設けて、様々な活動を展開した。表1に各コンポーネントと、プロジェクトが達成した主要な成果を示す。これら3つのコンポーネントが同時に進行することが相乗効果を生み、関係者の意識改革と能力強化へ繋がり、将来、生態系コリドーの導入と実施を可能にする環境(enabling environment)が生まれる事が、プロジェクトの最終ゴール(上位目標)であった。写真1 地平線まで続くセラードの自然植生。荷台のドラム缶は予備燃料(セハ・ジェラウ生態系ステーション)写真2トカンチンス州・ジャラポンに多く生息するコンゴウインコ(施設に保護された個体)Civil Engineering Consultant VOL.268 July 2015039