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Consultant268号

主塔頂上が霧で覆われた橋第66回世界的なランドマーク「ゴールデンゲート橋」アメリカ・サンフランシスコ会誌編集専門委員会■20世紀のモニュメント小説や映画の舞台に数多く登場する、アメリカの西海岸を代表する都市の一つサンフランシスコ。名物ケーブルカーも登場する歌『霧のサンフランシスコ』はミリオンヒットとなり、1969年に市歌に制定された。この霧が多く発生するサンフランシスコ湾の出入り口となる海峡に架かるのがゴールデンゲート橋だ。海峡は太平洋から押し寄せる暴風と猛烈な波浪をまともに受け、潮流が速いことで知られている。1937年に僅か4年半の工期で完成したこの吊り橋は、二つの主塔の高さが227m、主塔間長(センタースパン)が1,280m、橋長が1,966m、アプローチの橋を含めると実に2,737mともなる。1964年にニューヨークのヴェラザノ・ナローズ橋が完成するまでの27年間は、世界最長センタースパンの吊り橋であった。建設費は2,700万ドル(現在の約320億円)。日本の瀬戸大橋と姉妹橋関係を結ぶ。2001年にアメリカ土木学会は橋の美しさと架橋事業を高く評価し、世界の橋における「20世紀のモニュメント」として選定した。橋は赤味を帯びたインターナショナル・オレンジに塗られている。潮風に晒され塗装が痛むため、一方の端から始めて反対側まで塗り終わったらまた最初からと、一年中塗り替えをしていると言う噂があるほどだ。なぜ、このような過酷な条件にもかかわらずここに長大橋を造ったのだろうか。■サンフランシスコこの地には古くからアメリカ先住民が生活していたが、ヨーロッパ人が乗り込むのは遅かった。彼らは16世紀中頃から付近の海に来航していたが、サンフランシスコ特有の霧や悪天候で湾の入り口が発見できなかったからだ。夏季のサンフランシスコは、太平洋高気圧が北上し寒流が沿岸に近づく一方、カリフォルニアの中央低地は高気温となる。この影響で発生した濃霧と強風で、冷気が海峡を通り陸側に浸入し、短時間で気温が10℃以上も降下する。冬042Civil Engineering Consultant VOL.268 July 2015