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畜の糞を、男女別なく素手で集めてきては燃料にする。飲み物は現地産のチンギスやグランド・ハーン、ハラホルム、アルタンゴビといった英雄の名や地名を冠したビールやウォッカがある。値段は手ごろで、ビールは大ジョッキが180~300円である。祭りのシーズンともなるとボーズ(肉餃子)やホーショール(揚げ餃子)や馬乳酒(馬乳を発酵させた酒でビタミン、たんぱく、ミネラル、乳酸菌を多く含む)が盛んに出される。客先のゲル(移動式住居)に招かれた時には、大歓迎の中この酒を飲み、翌一週間は体がアルコールを受け付けなかった。ウランバートルは、首都だけあってレストランが多く、各国の料理が写真5ゲル(移動式住居)あり、長期滞在者にも不都合を感じさせない。ただ内陸国だけに、魚料理は食材が手に入らないことから期待できない。したがって、魚料理たらふくが好きな人は、来る前に鱈腹食してくることをお勧めする。住宅事情もともとは遊牧の民であったため、基本的住居は円形のゲルと呼ばれる組み立て式で、冬場と夏場の牧草の状況に合わせ、住居を好みの所に設置して住んでいる。首都と点在する都市や村では固定の建物に住む。鉄道のような長大な構造物の建設では、ゲルは工事進捗に合わせて移動できる便利な現場事務所兼住居である。最近、地方で仕事がない人々の多くが、首都に仕事を求めに来て、周辺にゲルを組み立て冬場に質の悪い石炭を焚き、公害を引き起こしている。首都の建造物は、ロシアの政治・経済の枠組みの中にあったことでロシア色が漂う。近年、市場経済へと移行し、建設事情は好景気で、次々と事務所ビルや高層アパートが建てられている。11~3月は気温が低いためコンクリート打設ができなかったが、近年、日本の寒冷地のコンクリート打設技術を導入し、季節による工期的不利を克服したようだ。道路事情市内の道路は拡幅され交通緩和が図られている。ただ、首都に集中した交通量の多さとドライバーのマナーの悪さが原因で、なかなか満足からは程遠い。ドライバーのマナーについて言えば、この国の人々は小さい時から乗馬に慣れ親しんでいるせいか、どうも車は機械化した馬で、前輪は馬の首とでも思っている節がある。そのため、僅かでも隣の車線で車間が空いているとハンドルを切って前輪だけ突っ込んでしまい、後輪が隣車線にすっぽり入るまで、後続車の流れは両車線とも停止する。これが至る所で起き、交通渋滞を招いている。草原を自由自在に疾走する習慣の民を、道路という規制した場に慣らせるには時間が必要なのかもしれない。写真6首都・ウランバートルスポーツこの国で盛んなスポーツは、若い人ではバスケットとバレーボールであり、大人になるとモンゴル相撲らしい。もちろん乗馬は盛んで、スポーツというより娯楽の類に入る。ゴルフ好きな人にとっては、夏が短いモンゴルにゴルフ場があるかが関048Civil Engineering Consultant VOL.268 July 2015