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国際委員会だより【第21回】Message from International committee実践的海外プロジェクト8?ベテラン技術者の海外業務への取り組み?国際委員会礒部猛也│ISOBE Takeya建設コンサルタンツ協会の「海外市場対応能力の支援」の一環として、国際委員会から海外業務を紹介する記事を継続して掲載しています。これまでは海外業務に取り組んでいる若手技術者を中心にインタビューを行ってきましたが、今回から長く海外業務を経験しているベテラン技術者に、プロジェクト運営上の留意点や後進へのアドバイス等を聞いていきます。?インタビュー対象者プロフィール対象者:森下甲子弘(MORISHITA Kanehiro)所属:建設技研インターナショナル専門分野:河川計画経験年数:国内14年、海外25年海外業務実施国:フィリピン、ラオス、カンボジア、マレーシア、インドネシア、イラン、セネガル、マラウイ等図1セフィードルード川流域図?インタビュー内容Q1.ご紹介いただくプロジェクトの概要を教えてください。A1.プロジェクトの概要は以下のとおりです。プロジェクト名:イラン・イスラム共和国セフィードルード川流域総合水資源管理調査発注機関名:独立行政法人国際協力機構実施期間:2007年7月~2010年9月(期間:3年3ヵ月)カウンターパート機関:同国エネルギー省水資源管理公社Q2.対象となった河川流域の概要と課題について教えてください。A2.セフィードルード川は、イランの北西部を流れ、カスピ海に注ぐイラン有数の大河川です。流域面積は59,090km 2で、ほぼ九州と四国の面積に相当しますが、流域内人口は470万人で九州と四国の人口の30%程度です。当流域の水資源は、イランの中でも比較的豊富ですが、年間降水量は346mmと我が国平均の20%程度に過ぎず、まさに乾燥・半乾燥地帯の典型的な流域です。流域の行政単位は8州に分かれ、それぞれの州は民族的にも異なるため、あたかも独立国家のように振舞い、限られたセフィードルード川流域の水資源を個別単独に開発するためのダム建設を計画しています。流域全体を管理していくという視点がなく、将来の水資源の枯渇が危惧されています。さらに最下流部のギラン州は流域内唯一の稲作地帯であり、経済的に豊かであるため、既に上流7州との水争いが発生していました。058Civil Engineering Consultant VOL.268 July 2015