ブックタイトルConsultant270

ページ
21/72

このページは Consultant270 の電子ブックに掲載されている21ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

Consultant270

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

Consultant270

写真6開業したレストランとトンネルへ続く斜路写真7当時の鉱山技術で掘削されたトンネル地下道路網にバス停を設置しているのである。1982年以降、歴史的な街の保護は公教育省傘下の組織が行っている。総延長8km以上に達する道路のうち、実際に地下道路として利用されているのはその一部で、一般公開されていない小さなトンネルも多数ある。127カ所の古い地下道(人工地盤)はレンガアーチでできているとされ、歩道を歩くとアーチが肋骨のような形状で張り出しているので、すぐにそれとわかる。上空が見える堀割区間では、住居の一部が片側から大きく張り出し、いつ落ちてくるか非常に不安を感じる。また、人工地盤として埋立てた区間の擁壁には水抜きパイプが設置されており、水圧が作用しないように工夫されている。■噂に違わぬ美しい眺めグアナファトの街には黄色のグアナファト聖母大聖堂や白を基調としたグアナファト大学など、色鮮やかな建築物が建ち並ぶ。街の色は、昔から使っていた色に近いものを使用するルールになっており、塗料もオーガニックが要求されている。しかし、塗替えは市役所に申請し、毎年末に行うことになっていて、多くのオーナーは維持管理が煩雑なことから、この制度を疑問視しているとのことである。また、サン・ディエゴ教会の裏からケーブルカーに乗りピピラの丘に登ることができる。そこからは、夕暮れから徐々にオレンジ色の街灯が灯り、街を輝かせる風景が望める。土産屋などの商店が多く入るイタルゴ市場は、外観は駅舎、内部はドーム型で天井が高い。鉄道駅舎として建設されたとする記述もあるが、駅舎をイメージしてデザインしただけと言うのが真相らしい。1908年に開業した鉄道駅は、イタルゴ市場西側の街の入口に近い場所にあり、現在は使用されていないものの、蒸気機関車用の木製水タンクや、荷を積むために高くしたプラットホームが残っている。1972年から毎年10月に開催される国際セルバンテス祭は、メキシコにおける芸術と文化の最も重要な祭りである。世界中の表現芸術作品がスペイン語で上演されることで有名である。祭りの起源は『ドンキホーテ・デ・ラマンチャ』の作者であるミゲル・セルバンテス・サベドラの小作品が、街で上演されていたことに由来する。近年、グアナファトは冒頭に記述したようなことから日本との関係が深まりつつある。グアナファト空港の売店ではお湯を入れてもらうサービスが付いた日本製カップ麺を食べることができる。また、日本ではグアナファトの自動車関連視察ツアーがあるほど関心が高まっている。これからさらに多くの日本人がこの地下都市を訪れるに違いない。<参考資料>1)『Guide to Cultural ?Routes in Guanajuato』Guanajuato World HeritageAssociation 20112)『Santa Fe y Real de Minas, Guanajuato』Gobierno del Estado de GuanajuatoSecretaria Tecnica 2010 : Coordinador : Isauro Rionda Arreguin3)「外務省ホームページ」(http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/mexico/)<取材協力・資料提供>1)Dr. Jose Luis Lara Valdes(Director Municipal de Cultura y Educacion)2)Direction Municipal de Cultula y Education3)田中恭子(通訳)<図・写真提供>図1、写真3、4平田潔図2グアナファト市P16上(左)、写真1、2、6、7近藤安統P16上(右)、写真5塚本敏行Civil Engineering Consultant VOL.270 January 2016019