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論説・提言第4回このコーナーでは「日本が目指すべき姿と社会のあり方、そこで必要とされるインフラの実現に向けた方策、そしてその際に果たすべき建設コンサルタントの役割とは」をテーマに、各専門分野の視点からの提言を掲載しています。今回は巻頭言(Consultants)も兼ね、当協会の会長と理事による新春対談をお送りします。新春対談「建設コンサルタントの未来」語り手京南倉庫株式会社代表取締役社長一般社団法人建設コンサルタンツ協会理事上村多恵子(UEMURA Taeko)19 7 6年、甲南大学文学部卒業。在学中の19 74年、京南倉庫株式会社代表取締役に就任。1978年、京南物流株式会社を設立し代表取締役に就任。19 8 8年、株式会社ドラマモード(プランニング・企画会社)を設立し代表取締役に就任。2006年より同代表取締役会長。2013年、株式会社民間資金等活用事業推進機構取締役に就任。2014年、西日本高速道路株式会社監査役に就任。現在、京都経済同友会常任幹事。町づくりに参画し、都市のネオ・ルネッサンス運動を目指す一方、詩・エッセイ・小説などの執筆も行う。国土交通省、財務省等の審議委員を多数努める。上村多恵子オフィシャルサイト(http://www.taequeen.com/profile.html)聞き手一般社団法人建設コンサルタンツ協会会長長谷川伸一(HASEGAWA Shinichi)1947年、大阪府出身。1966年、パシフィックコンサルタンツ株式会社入社。1971年、大阪工業大学土木工学科卒。2000年、取締役九州本社長。2004年、常務取締役大阪本社長。2006年、専務取締役事業管掌。2008年、代表取締役社長。2014年、代表取締役会長就任。2015年6月一般社団法人建設コンサルタンツ協会会長就任。専門分野は道路・構造。主な業務実績に「高松・広島空港進入灯橋梁設計業務」「大阪湾岸道路六甲?PI間横断形式検討業務」「北港ジャンクション鋼4層立体ラーメン橋脚構造検討業務」等がある。建設コンサルタントの役目長谷川:当協会は2014年に50周年を迎え、自律した建設コンサルタントへと舵を切りました。インフラの長寿命化や津波・地震・台風・豪雨・豪雪などの大災害への対応が求められていますが、国民の安心安全や快適な暮らしを支える社会資本整備に貢献する立場として、ハードとソフトのベストミックスの見解を示すなどの活動を進めています。そんな中、市民は公共事業並びに建設コンサルタントに何を望んでいるとお考えでしょうか。上村:建設コンサルタントとはどんな仕事か、何をしているのかは、恐らく100人中90人以上の市民が知らないと思います。設計や施工管理、詳細図面を描いたりすることを「コンサルタント」と一般的に呼ぶものとは結びつきにくい。色々な技術や技能を持った方が知的集団をつくっているので、「建設コンサルタント」よりも「建設土木ファーム」という感じが強い。「コンサルタント」では相談事のようで、設計等の部分が市民にはイメージし難いですね。長谷川:建設の設計という意味では建築と混同される場合が多くあります。土木は建築とは全く違い、土木技術をもって国土を創造するプロジェクト全体を計画・設計・マネジメントするもので、電気、機械、施設等のあらゆる分野を土木プロジェクトの中でマネジメントする役割を持ちます。そういう大きな範囲で捉えた仕事をしているので「建設コンサルタント」という呼び方をしています。我々が企画、計画、設計をして、それをゼネコンが建設します。施工管理も行い、完成後は維持管理にも携わり、長寿命化へと繋げます。経年変化などによる強度低下などの問題が起これば、更新してまた企画から考える。国土建設の循環の全てを担っているという自負があCivil Engineering Consultant VOL.270 January 2016001