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ポン・デ・アスーカルに到着するボンジーニョ。奥はコパカバーナ海岸The Bondinho ropeway gondola invites visitors to a majestic view from atop extraordinary rock formations奇岩からの絶景へいざなうロープウェイ「ボンジーニョ」ブラジル、リオデジャネイロ特集土木遺産XIIIラテンアメリカ古代文明から現代文明への転換を支えた土木技術Special Features / Civil Engineering Heritage XIII会誌編集専門委員会■リオデジャネイロの名所の一つ「リオのカーニバル」で有名な、ブラジルはリオデジャネイロ。今年8月には南米大陸で初めての第31回夏季オリンピックが開催される。ブラジル南東部のリオデジャネイロ州の州都であり、1960年までは首都であった。グアナバラ湾に面し、世界三大美港の一つに数えられる風光明美な国際観光都市である。その湾に突き出す半島には、形が砂糖パンに似ているところから「ポン・デ・アスーカル」と呼ばれる標高396mの奇岩がある。英語で「シュガーローフ」と言う。片麻岩の一枚岩でできた山頂からの眺望が素晴らしく、旅行者がそこへ行くには、麓からウルカの丘とその先のロープウェイを乗り継いでしか行くことはできない。開業が世界で3番目に古いこのロープウェイは、2012年10月27日で開通100周年を迎えた。ゴンドラの形が、当時市内を走っていた路面電車「ボンジーニョ」に似ていたため、同じ愛称がついた。開業以来、事故もなく運行され続け、リオデジャネイロの名所の一つで世界遺産にも指定された。この100年でボンジーニョに乗った人は4千万人を超え、アメリカ大統領ケネディやローマ教皇ヨハネ・パウロ2世もその一人だ。今でも昼夜を問わず多くの旅行者が訪れる。ロープウェイの営業は、未開の地に道路を造り、専用バスを運行させているようなものだ。なぜ、100年もの長きにわたり運行され続けてきたのだろうか。■奇想天外なアイデアポルトガル語で「1月の川」という意味のリオデジャネイロ。しかし、大きな川が流れているわけではない。1502年にこの地を発見したポルトガルの艦隊が、グアナバラ湾を河口と勘違いしたことに由来する。艦隊はブラジルの海岸を調査して地勢を記録した。その際、ポン・デ・アスーカルはグアナバラ湾の入り口の目印になった。湾は嵐から艦隊を守り、食料や水の補給港でもあった。032Civil Engineering Consultant VOL.270 January 2016