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表2「トンネル工」・「インバート工」の工事内容工種工事内容トンネル工掘削の違いによって「発破工法」と「機械掘削工法」に分かれる。掘削、ずり運搬、吹付、ロックボルトの設置、鋼製支保工の設置、一次吹付後の金網設置(以上「掘削・支保」)、防水シート設置、型枠設置、覆工コンクリート打設(以上「覆工コンクリート・防水」)の一連作業インバート工インバート部の掘削、ずり運搬、埋戻し(以上「インバート掘削」)、コンクリート打設(以上「インバート」)の一連作業■工種毎のCO2排出量の分析CO2排出の大半を占める「トンネル工」と「インバート工」の工事内容は表2に示すとおりである。工事工種体系の細別では、それぞれ「掘削・支保」「覆工コンクリート・防水」「インバート掘削」「インバート」に分けられる。■掘削・支保掘削速度等は、掘削断面積や岩の硬さ等によって変わることから、CO2排出量はこれら要素から影響を受けると考えられる。「掘削・支CⅡDⅡDⅠDⅢ図6 掘削・支保(発破)のCO2排出量と掘削断面積の関係保」の掘削延長1m当たりのCO2排出量(CO2排出原単位)と掘削断面積、地山等級(岩の硬さ)の関係を図6、7に示す。地山等級はCⅠからDⅢに向けて風化・変質が強くなる。掘削延長1m当たりのCO2排出量は、掘削断面積が大きく、風化・変質が強い区間ほど大きくなる傾向がみられた。■覆工コンクリート・防水、■インバート掘削、インバート「覆工コンクリート・防水」「インバート掘削」「インバート」では、掘CⅠDⅠCⅡDⅢ図7 掘削・支保(機械掘削)のCO2排出量と掘削断面積の関係削方法や地山等級による明らかな違いはみられなかった。掘削延長1m当たりのCO2排出量と掘削断面積の関係は図8~10に示すとおりであり、掘削断面積が大きいほどCO2排出量は大きくなる傾向がみられた。■工種毎のCO2排出量と設計条件工種毎の掘削延長1m当たりのCO2排出量を掘削断面積の関数として整理した結果を表3に示す。インバートは地質が不良な箇所に施工されるが、インバートが不要な箇所と比べるとCO2排出量は3割程度増加すると推計された。■検討結果の活用の可能性以上の検討結果は、収集した工事事例が限定的であることに加えて、その後も新たな工事事例を対象とした分析等が行われていることから、そのまま活用するには注意が必要である。ただし、仮に表3を用いることで、発破から機械掘削への変更や地山等級の違いによってCO2排出量がどの程度変わるかの推計が可能であり、これらの検討結果を積み上げることで、使いやすさと計算精度を両立したCO2排出原単位を整備することができると考える。CⅠDⅠDⅢCⅡDⅡ図8 覆工コンクリート・防水のC O 2排出量と掘削断面積の関係図9インバート掘削のC O 2排出量と掘削断面積の関係図10インバートのC O 2排出量と掘削断面積の関係042Civil Engineering Consultant VOL.270 January 2016