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Project 2 briefプロジェクト紹介民間事業者としての砂防堰堤を活用した小水力発電事業の計画から運転開始まで市森友明ICHIMORI Tomoaki株式会社新日本コンサルタント代表取締役社長阿曽克司ASO Katsushi株式会社新日本コンサルタント専務取締役升方祐輔MASUKATA Yusuke株式会社新日本コンサルタント設計計画本部水環境部流域保全グループ課長■はじめにひらそ平沢川砂防堰堤(図1)は、金沢市を流れる二級河川犀川水系の内川に合流する平沢川の上流0.2kmに位置し、流域面積約10.8km 2を有する。都市河川犀川への流出土砂防止を主目的とし、満砂するまでの期間、貯水ダムとして犀川の河川維持用水の一部を補給することを副目的として、昭和57年に石川県により建設されたものである。本事業は、石川県が管理する当該堰堤の有効活用を図る目的で小水力発電事業者の民間公募がなされた。当社が公募選定後、発電事業に関する基本協定を締結し、各種許認可を経て、平成26年5月に工事着工し、翌年5月から運転を開始した。本稿では、民間事業者が取り組む小水力発電事業に関して、その計画から運転開始までの取り組みについて紹介する。■事業計画概要本事業は既設砂防堰堤の落差を利用して発電を行うもので、平沢川砂防堰堤流域に注ぎ込む流量を利用した、新規水利権取得による流れ込み式発電計画である。また「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)」を利用した20年間の事業運営を想定しており、事業継続に関しては、20年経過時点での協議事項となっている。公共施設である砂防堰堤の活用と民間資金活用による小水力発電事業は、石川県内では初めての取り組みであり、全国的にも先進的な事例である。本発電事業の事業経緯を表1に示す。■小水力発電事業への参入一般に小水力発電事業への参入を望む民間事業者にとっては、有望地点に関する情報が少なく、河川流量などの基礎情報の取得が困難である。これらの有望地点を事業者自らが調査するFS調査や事業計画を行うだけでも、多額の費用を投資する必要があり、資金が阻害要因とな図1事業位置図表1事業経緯H25年10月公募による予定事業者として選定H26年1月石川県との基本協定締結H26年2月電力系統検討正式回答(北陸電力)砂防法:砂防指定地内行為許可申請H26年3月河川法:水利使用許可申請H26年3月設備認定通知(経済産業省)H26年4月電気事業法:工事計画届出H26年5月工事着工H27年5月運転開始044Civil Engineering Consultant VOL.270 January 2016