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Z O O M U P C A M E R A E Y E Sズーム・アップ・カメラ・アイズリマの新たな移動手段「Metro de Lima」(ペルー、リマ)会誌編集専門委員会Metro de Limaはペルーの首都リマにある都市鉄道である。現在、市内を南北に繋ぐ1号線(Line1)が営業運行され、東西に繋ぐ2号線(Line2)が建設中だ。そして、1号線の西側を南北に繋ぐ3号線(Line3)の事業が始まっている。まだ他の国と比べると、路線も短く規模の小さなメトロであるが、将来的にはペルー交通省の認可が下りている6路線を建設する予定である。AATEと略称される「リマとカヤオの大量電気輸送システム局(Autoridad Autonoma del Sistema Electricode Transporte Masivo de Lima y Callao)」は1985年に設立された。1号線の建設は翌年から始まったが、ペルーの景気が非常に悪くなり工事は滞った。それでも、2001年までに7駅9.8kmが完成したが、商業的にペイしないと判断され、営業運行開始には至らなかった。しかし現在と同じ人口に増えた2010年、リマ市内の交通渋滞が非常に激しくなったことを受け、1号線の建設が再開された。これには、中心市街地(セントロ)への車の流入規制時の移動手段としての位置付けもあるようだ。確かにリマ市内の交通渋滞は尋常ではない。クラクションを鳴らし、頭を突っ込んだ車が勝つ。運転マナーが悪く、譲り合うことはないし、歩行者は信号を守らず好き勝手に横断する。何をか言わんや、である。建設再開によって1号線は9駅12.4km区間までが2011年に完成し、翌年4月に16駅22.2kmで区間営業運行が開始された。さらに2014年までに1号線の残り10駅が建設され、今では26駅34.5kmの全線で、1日32万人が利用している。現在5両編成の24列車で運行しているが、2016年には6両編成の22列車を追加導入する予定である。これが導入されたあかつきには1日60万人ぐらい運べることになる。ちなみに、計画当時の2035年の利用予測は32万人であった。2号線については、2012年から1日120万人の利用を見越して27駅27kmの事業が始まり、2014年から建設を開始し、6年間での完成を目指している。2号線の途中からリマ空港に繋がる路線が4号線となる。事業が始まった3号線ではあるが、工事開始時期は未定だ。旧市街にあるリマ最大級のホテル「シェラトン・リマ」前の地下バスターミナルには、2号線と3号線が交差する駅が造られる予定である。1号線はセミオートマチック運転の高架鉄道だが、2号線以降はオートマチック運転の地下鉄道となる。建設は調査を含めて海外の会社が行っている。設計と建設が一つのパッケージになっており、1号線と2号線はス図1 Metro de Limaの計画を含む全体路線図(北は左上?)図2 1号線路線図048Civil Engineering Consultant VOL.270 January 2016