ブックタイトルConsultant270

ページ
68/72

このページは Consultant270 の電子ブックに掲載されている68ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

Consultant270

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

Consultant270

平成27年度WAVE・JCCA欧州インフラ事情調査に参加して平成27年度欧州インフラ事情調査報告株式会社新日本コンサルタント設計計画本部水環境部流域保全グループ升方祐輔MASUKATA Yusuke■はじめに今回の欧州インフラ事情調査への参加のきっかけを得た「平成26年度建設コンサルタント業務・研究発表会」において、私は、弊社が取り組む「砂防堰堤を活用した小水力発電事業への民間事業者としての取り組み」と題して発表し、幸運にも最優秀賞を賜ることができました。その副賞で「平成27年度WAVE・JCCA欧州インフラ事情調査」への参加の機会を得て、今回の調査団の一員に加わることができました。それまで、公私ともにヨーロッパ渡航など想像もしていなかった私にとって、10泊12日の行程におよぶ欧州インフラ事情調査への参加は、人生かつてない貴重な三次元的空間体感を得るものとなりました。■視察の概要今回の視察は、平成27年5月31日から6月10日の11日間で、フランス・ベルギー・オランダ・ドイツの主要4ヶ国の各都市を北上ルートで巡るインフラ事情調査であった。本稿では、各国の各主要都市で、私が特に印象に残ったトピックスを紹介させていただきたいと思う。(1)港湾と都市(フランス:ル・アーブル)5/31パリ・シャルル・ド・ゴール空港に降り立った調査団一行は、花の都パリには目もくれず専用バスにてセーヌ川右岸河口に位置する港湾都市ル・アーブルへ向かいました。翌6/1、ル・アーブル港湾局への公式訪問を行い、ル・アーブル港が取り組む開発プロジェクト(Port2000・HAPORA2030)と広域的な開発計画に伴う環境側面からのエリアマネージメントについて、熱心なプレゼンテーションを受け視察初日から世界を肌で感じることができた。ル・アーブル港は、地理的にセーヌ川河口かつ英仏海峡の西側に位置し、西ヨーロッパの玄関として優れたアクセスを誇る最大級の港湾として、中世からその重要な役割を果たしている。しかしながら、変貌する世界貿易の中で、欧州のみならず米国・アジアを結ぶ国際海上輸送の要として、ヨーロッパ諸港との熾烈な競争の中で、戦略強化を図り、物流拠点としての港湾運営を行っていく必要があるのだと感じた。また、ル・アーブルには作家アンドレ・マルローが創設したマルロー美術館があり、印象派の画家が描いたフランス絵画が数多く展示されている。絵画からは、中世写真1発展を続けるル・アーブル港写真2印象絵画が展示されるマルロー美術館写真3運河から望む歴史都市プルージュ・鐘楼066Civil Engineering Consultant VOL.270 January 2016