ブックタイトルConsultant273

ページ
22/60

このページは Consultant273 の電子ブックに掲載されている22ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

Consultant273

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

Consultant273

写真3 里山の植物で構成した5×緑のストリートファニチャーあるべきか、どのような緑を創出すれば地域に貢献できるか、そう問う姿勢は希薄です。目的と機能の捉え方都市緑化には、良好な景観の創出の他にも、ヒートアイランドの緩和、CO2固定、雨水調整、空気浄化、生物多様性への貢献、及び防風などの様々な機能があると言われています。そうした機能はもちろん大切ですし、考慮されるべき事項です。目的が明確な場合は、その機能に特化した設計をすることも必要です。例えばヒートアイランド緩和を目的としているのに、乾燥すると蒸散機能を抑制してしまう植物を選定すると目的は果たせません。しかしながら、都市緑化の機能を単一化し、還元主義的に捉えることには危惧を覚えます。以前、食品の栄養に詳しい友人と食事を共にしたとき、「トマトはリコピンが豊富だから」「豚肉はビタミンB1があって」と盛んに言われ、最初は感心して聞いていたものの、次第に「リコピンを摂取するためにトマトを食べている訳ではないし、トマトを味わうことを楽しみたい」と思ってしまいました。単一的に緑化の効果や機能を目的化させる写真4 植物でつくるカーテンウォール。一般的なカーテンウォールと同等の強度性能を持つ020Civil Engineering Consultant VOL.273 October 2016