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1第1ブロック森林区(ふるさとの森)25.8ha2第2ブロック苗圃区(自然の学校の森)23.9ha3第3ブロック記念植樹区(記念の森)57.4ha4第4ブロック運動施設区(スポーツの森)80.0ha5第5ブロック森林区(創造の森)42.0ha6第6ブロック森林区(レクレーションの森)75.1ha7第7ブロック森林区(ふるさとの森)58.0ha8第8ブロック森林区(ふるさとの森)43.4ha図1帯広の森の位置とブロック区分定し、植樹や施設整備を進めてきた。数回の見直しを経て、現計画では全域を8ブロックに分け、森全体の約80%を森林区、20%を施設区とした(図1)。各ブロックはそれぞれの特色を生かし、「ふるさとの森」「自然の学校の森」「記念の森」「スポーツの森」「創造の森」「レクレーションの森」などのネーミングを与え、様々な森を構成している。施設としては、園路・駐車場・トイレ・水飲み場・消火栓・芝生広場など各ブロックに設置するほか、運動施設や研修センターなどを整備している。帯広の森では当初、5月中旬に「帯広の森市民植樹祭」を開催していた。毎年約5,000人の市民の参加があり、5,000~10,000本を植樹してきた。しかし、植樹祭に必要な10ha程度の敷地がなくなってきたことから、平成16年の第30回で市民植樹祭は終了している。森づくりの変遷植樹祭が始まった当初は、苗木が手に入りやすいという理由から、主に針葉樹を植樹してきたが、本当の意味の「ふるさとの森」をつくるためには、もともと帯広の地に自生していたカシワやハルニレなどの広葉樹を用いるべきとの認識に立ち、市民植樹祭開始5年後頃から広葉樹主体の植樹に変更している。植樹から15年程度が経過した森では、樹高と樹冠(枝葉の広がり)とのバランスがとれず、不健全な様相を呈し始めた。これらは初期に植樹された成長の早いシラカンバやチョウセンゴヨウなどで顕著だった。また、1m程度の幼木を寒さや風による育成障害を防ぐことを目的に、樹木密度を高く植樹しているため、ある程度経過した時期に、樹木の健全な育成を図るため適度な間伐や下枝を払うことが必要であった。これらの状況を踏まえた平成2年、市民有志による「これでいいのか帯広の森」というシンポジウムが開催された。シンポジウムでは「市民植樹祭では『結婚記念』『孫の誕生』『入学記念』として植えられたものもあり、勝手に切るのはおかしい」「森は放っておいても自然淘汰されるから間伐の必要はない」などの間伐に否定的な意見も多くあったが、結果として「人間が植えた樹木は、人間が手入れしていかなくてはならない」という除間伐を実施することの市民合意が得られた。同年10月に開催された「プレ育樹祭」を経て、平成3年には、帯広の森植樹祭実行委員会と帯広市の共催で「帯広の森市民育樹祭」を開催した。その後、樹木の成長等に伴い、参加する市民の安全確保が困難となったことから、市民育樹祭は平成17年の第15回をもって終了した。この市民育樹祭では、延べ約13,000人の市民が参加し、約81haの植樹地において約49,000本の樹木を間伐した。そして、森づくりをもう一度原点から点検しなければという気運が沸き起こり、造成開始から20年が経過した平成6年に『帯広の森利活用計画』を策定し、森の成長とともに利活用の視点を含めた森づくりを進め、森の造成100年間を4つのステージに分けることとした(図2)。Civil Engineering Consultant VOL.273 October 2016023