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Project 1 briefプロジェクト紹介地域の代表的な水辺空間との調和に配慮した天神川水門の設計山本晋一YAMAMOTO Shinichiいであ株式会社大阪支社水圏部■はじめに島根県の城下町松江市に面する宍道湖とその背後に連なる山々の緑を背景とした自然景観は古くから市民に親しまれ、人々の憩い・安らぎの場として、またシジミ漁などの生活に根ざした場や観光地としてその美しい姿を呈している。特に、島根県立美術館周辺には、岸公園(土木学会デザイン賞2003最優秀賞受賞)・白潟公園(松江市都市計画公園)や夕日の展望地などが整備され、松江市のウォーターフロントの中心地として、住民や観光客が絶えない場所となっている。一方で、美術館前を流れる天神川沿川は住宅が密集しており、昭和47年7月及び平成18年7月の洪水時に、宍道湖の水位上昇によって、天神川周辺においても浸水被害が発生したことからその対策が課題となっていた。今回取り上げる天神川水門は、宍道湖と天神川の合流部に、宍道湖の水位上昇時における天神川への逆流防止施設として設置されたものであるが、治水上の機能を果たすと同時に、水都松江の代表的な景観にふさわしい風格ある湖畔風景の形成が求められた。本稿では、周辺水辺空間との調和に配慮した水門設計と施工時の取り組みを紹介する。■水門計画地の特性1宍道湖を眺める視点場水門計画位置は、松江市景観計画において湖畔の「展望地」として位置付けられており、湖への眺望が開けるポイントである。親水整備された水辺からや自動車の車窓からの眺めなど、視点場としての性格が強い。2松江の代表的な水辺空間嫁ヶ島橋西側は、対岸の市街及び漁船や観光遊覧船等の水上から見られる機会が多い。湾曲した護岸形状から、岸公園及び白潟公園からも注視されやすい場所である。その他、NHK松江放送局からのライブ映像もしばしば放映される。3 観光客や市民の憩うウォーターフロント周辺には島根県立美術館や岸公園、白潟公園などが位置する松江のN日本海天神川水門位置図宍道湖中海天神川水門(島根県松江市)島根県立美術館岸公園宍道湖を眺める視点場水都松江の代表的な水辺空間白潟公園天神川水門計画地N宍道湖写真1天神川水門位置図及び現地状況032Civil Engineering Consultant VOL.273 October 2016