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2水門のデザイン水門自体の重厚な圧迫感を抑えるため、堰柱部分のコンクリート表面処理方法として、「はつり仕上げ」と「石張り」で比較検討を行った(写真3)。その結果、水門計画地は現代彫刻などが屋外展示されている岸公園や県立美術館を含めて現代的な水辺空間であること、ライジングセクタゲートは新技術のゲート形式であることを考慮し、歴史的な印象の強い石張りを避け、はつり仕上げを採用することで水門と周辺景観との調和を図った。中央堰柱は、傾斜した形状にすることで堰柱上部の圧迫感の軽減を図った(図5)。その他には、取付護岸や防護柵、舗装等の素材等についても検討を行った。3水門操作室のデザイン当水門で採用したライジングセクタゲートは門柱レス構造であるため、水門近傍に操作室が必要となる。橋詰広場への操作室設置は、夕日鑑賞及び公園利用者の動線を阻害することになり、周辺環境に与える影響は大きい。このため、白潟公園管理者である松江市と協議を行い、水門操作室は公園利用の邪魔とならない園路を避けた公園内に■はつり仕上げ(採用)写真3模型による水門本体の表面処理比較■傾斜形状(採用)図5中央堰柱の形状比較操作室全景宍道湖側拡大写真写真4水門操作室■石張り■傾斜なし図6操作室周辺植栽計画・排気口は、人が近づかないように設置する計画とし、公園施設の機能4操作室周囲の植栽計画034Civil Engineering Consultant VOL.273 October 2016を兼ねた「兼用工作物」として計画操作室予定地にある現在の樹木その周囲に低木植栽を配置した。■施工段階における取り組みの伝統的建造物にも見られる縁側を取り入れ、夕暮れ時には一休みしながら、宍道湖の夕日を眺められる構造とした。なお、縁側での時間を気持ちよく過ごせるように宍道湖側ひさしの庇を長くし、寝ころびによる縁側の占有防止対策は、一定間隔でひじ掛けを設置することとした(写真4)。・操作室の宍道湖側には縁側があるため、夕日の眺望を妨げないように植栽は芝生のみとして、宍道湖に面して開けた前庭空間を創出する。・操作室周辺に高木を植栽することで、建物の規模の大きさを和らげる。当水門は、平成24年7月に着工し平成27年1月に竣工を迎えた。施工時の取り組みについて紹介する。1工事連絡会の実施当水門工事は、1期施工(水門右岸側)と2期施工(水門左岸側)に分割され、異なる施工業者によって施工された。各工事着手時には工事連