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■ビシャン(採用)■先尖ノミ■ずん切ノミ写真6はつり仕上げの実サンプル写真5工事連絡会の様子全景左岸下流側から水門を見る右岸上流側から水門を見る夕日時の天神川水門写真7水門左岸側取付護岸絡会を実施し、デザインコンセプト、完成イメージ、留意点について説明し、設計意図の情報共有を図った(写真5)。この工事連絡会の実施によって、施工業者の当水門に対する景観配慮への意識が高まり、現場変更時には必ず設計者に相談する等の効果が得られた。2定期的な施工管理の実施1期施工と2期施工合わせて計6回の施工管理を実施した。定期的な施工管理を行うことで、各段階における詳細部分の収まり等の留意点を確認した。また、設計者と施工者が定期的に顔を合わせることで親密度が深まり、相談しやすい環境を創出できたと思われる。3 実サンプル作成による仕上げ方法と材料の提案コンクリート表面のはつり仕上げ方法や深さ、管理橋洗い出し舗装の豆砂利の色や粒径、防護柵についてはサンプルを作成し、仕上がりの均一性やコスト等にも配慮して使写真8天神川水門完成写真用するものを決定した。はつり仕上げ比較検討時のサンプルを写真6に示す。4現場レベルでの配慮点1期工事と2期工事では施工業者が異なったが、2期施工で使用するコンクリートは1期施工と同じコンクリート工場のものを使用し、コンクリート表面のはつり仕上げも同じ職人にする等、施工業者の違いによる仕上がりの変化を防止した。また、周辺護岸と同形式で計画した左岸側(白潟公園側)取付護岸の石材は、既設護岸で使用していた色味の異なる数種類の石材の種類と割合を調べ、既設と同様の石材と割合にすることで一体性に配慮した(写真7)。その他には、仕上がりに配慮して構造物同士の細かな取り合い形状の修正を行った。■おわりにこのような取り組みにより、島根県立美術館、岸公園、白潟公園がある水都松江の代表的な水辺空間にふさわしい水門が出来たと考えている。これも紹介した取り組みの他、事業者・設計者・施工者が一体となって多くの技術者の協働があったためと考える。当水門の取り組みが、今後実施される予定の名勝地や住民利用の多い水辺などにおける、景観に配慮した河川管理施設の整備に寄与することを願う。Civil Engineering Consultant VOL.273 October 2016035