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OVERSEASRepublic of Tunisia─チュニジア共和国─チュニジアの南部海外事情宮本健吾MIYAMOTO Kengo八千代エンジニヤリング株式会社/技術推進本部/技術開発部/企画開発課チュニジア南部北アフリカに位置し地中海に面するチュニジアは、縦長の形をした国土の東西中央をテベッサ山地が通り、この山が隔てる南北で気候や景色は大きく異なる。北部は地中海からの湿った空気が山で留まり降雨をもたらすが、南部はその逆に日が強く乾いている。衛星写真で見るとよく分かるが、北部は木々の緑色で、南に行くに従い少しずつ石や砂の肌色が混じり、南部は土と砂のまだらな肌色になる。そんなチュニジア南部を、2014~2015年にかけて3回訪問した。就職で上京するまで日本の田舎の海と山に親しんで過ごした自分にとって、初めて見る砂の世界は大変刺激的であった。チュニジア南部を紹介したい。いる。島と本土を結ぶ数kmの道はローマ時代に築かれたもので、少し海が荒れただけで分断されて帰れなくなるのではないかと心配になるような低さだ。畑や浜を歩くと、白い大理石の柱の基礎や床であったであろうブロック、石器の破片などがそこら中に転がっており、この辺りが遺跡であることに気付かされる。地上に立って見ると全く分からないのだが、これも衛星写真では競技場と思われる楕円形や神殿であったであろう四角の区画などが見て取れ、遺跡であることが分かる。街の光景本土に渡って真っ先に目にするものは、規則正しく植えられたオリーブの木が広がる畑と、石や岩がごろごろ転がる土漠の風景である。オリーブはヨーロッパに輸出する主要なローマ時代の遺跡首都チュニスから飛行機で南部の玄関口ジェルバ島に降り立った。長靴型のイタリア半島のつま先が真っ直ぐ指した方向にあるジェルバ島は地理的にもローマ世界の一部であり、ローマ時代の遺跡が残って写真1ローマ時代の遺跡044Civil Engineering Consultant VOL.273 October 2016