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和感があったが納得した。写真2土漠の風景農産物で、ヨーロッパで瓶詰めされるオリーブオイルの一部はチュニジア産で、現地で食べるものは味がまろやかでとても美味しい。重量があるため少々躊躇したが、お土産に持って帰ると大変喜ばれた。メドニンの街は南部地域の交差点となる場所にあり、比較的人口が多い。街に入る前にまず見えるものは、路傍に並べられたポリタンクと漏斗と道路の黒い染みだ。これは近隣の国で安いガソリンを仕入れて屋台で売る簡易なガソリンスタンドらしく、国内価格の数分の一で買えるそうだ。かなりの量のガソリンが積み上げられており、引火しない事を祈りながら通り過ぎる。街の中心地に向かっていくと、自動車の板金、雑貨、衣類、喫茶、飲食店、食料品などの様々な露店が並んでいる。ラクダの顔をぶら下げた店の横には生きたラクダがつながれており、顔はほとんど同じだ。通訳に尋ねると、精肉店が品質をアピールするために商品から切り離した生首を展示しているとのこと。多少の違観光メドニンからさらに南に向かっていくとタタウィンに着く。いよいよ砂の世界だ。タタウィンで特に有名なものはクサールであろう。クサールとは集落が共同で使用する穀物倉庫のことで、集落の崩壊とともに打ち捨てられているものが多いが、現在でも生活に適合して使われているものもある。収穫した穀物やオリーブを保存するための個人倉庫が集合したものだが、当時の人にとって収穫物は大事な財産で、倉庫を山頂に建設し要塞化することで外敵から財産を守っていた。そのため丘の上に城のようにそびえ立つ様が美しい。最近、人々が去ったクサールを訪問するため、麓から山頂に向かって歩いてみた。中腹には土葬で盛り上がった土と、その目印であろう錆びた缶がいくつも並ぶ墓地があり、そのさらに上には、横に掘られた複数の洞穴がある。この洞穴ではオリーブオイルの圧搾作業を見ることができる。ローマ時代から変わらない、石臼と椰子の木を使った圧搾方法だ。この地域はわずかな雨も貴重な写真3山頂のクサール写真4畑の堰Civil Engineering Consultant VOL.273 October 2016045