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特集土木遺産XIV ?オセアニア入植とともに育まれてきた土木技術?2ニュージーランドの環境と開発の歴史植村善博UEMURA Yoshihiro佛教大学歴史学部/教授地形の特徴なお、全域が偏西風帯の海洋性気候に属し、気温の年ニュージーランドは面積27万km 2、人口450万の小国変化が小さく、年間を通じて降雨がある。これは牧草のである。かつてゴンドワナ大陸の一部だったが、約8生育に最適な環境を提供する。千万年前に分裂し長期間海底にあった。約2.6千万年前から太平洋・オーストラリア両プレートの境界が生じ、カ自然災害─地震と火山イコウラ造山運動により海底から隆起した。現在ではニュージーランドでは1840年以降に被害地震が19西太平洋の島弧海溝系をなし、活火山や地震が多く急回発生し、地表に地震断層が現れたものが9例ある。峻な山脈が直線状に走っている点で日本列島と酷似す1931年2月3日午前10時47分のホークスベイ地震る。北島では太平洋プレートがヒクランギ海溝から西へもぐりこんでいる。また、南島南西沖のプスギル海溝ではオーストラリアプレートが逆に東へもぐり込んでおり、二つの海溝を結ぶアルパイン断層が南島を一直線に走り、右横ずれ運動を続けている(図1)。北島は島弧の性質をもち、東から西へ「1付加体斜面」「2前弧盆」「3前弧隆起帯」「4背弧盆」の順に配列している(図2)。とくに3は北からラウクマラ、ルアヒネ、タラルア、リムタカの各山脈が直線状に高度1,000~1,700mの脊梁山地を形成する。これらは第四紀の断層運動により隆起したもので、ウエリントン、モハカなど長大な活断層が分布する。4起伏に富む丘陵が卓越する地域で、東部にタウポ火山帯が分布し、なだらかな火砕流台地を形成している(図2)。一方、南島には高度3,760mの最高峰アオランギを盟主に2,000~3,000m級の山稜が並ぶ幅100~150kmのサザンアルプスがそびえている。西海岸から急激に立ち上がり東へ傾動する山脈で、分水界は著しく西側に偏っている。西南部にはサウンドと呼ばれる見事なフィヨルド海岸、北部ではマールバラの沈降性リアス海岸の発達が著しい。図1ニュージーランド付近のプレート境界(A)と歴史地震の震央および活火山(B)Civil Engineering Consultant VOL.274 January 2017013