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Lock and Weir 1 was the first step in utilising the Murray Riverマレー川利用の第一歩「ロック&ウィアー1号」オーストラリア、ブランチタウン特集土木遺産XIVオセアニア入植とともに育まれてきた土木技術ロック&ウィアー1号の管理棟と閘門と堰(手前から)Special Features / Civil Engineering Heritage XIV株式会社ニュージェック/地圏グループ茂木道夫(会誌編集専門委員)MOTEGI Michio■マレー・ダーリング水系のマレー川オーストラリア大陸南東部には、マレー川、ダーリング川、マランビジー川などの大河が流れ、マレー・ダーリング水系を構成している。その流域面積は106万km 2で、日本の国土面積の約3倍にも及ぶ。このうちマレー川はダーリング川に次ぐオーストラリア第二の河川で、全長は2,575km。同国最高峰(2,230m)のコジオスコ山が聳えるスノーウィ山地に源を発し、北東のニューサウスウェールズ州から流入するダーリング川と合流した後、同州とその南のヴィクトリア州との州境に沿って西流し、サウスオーストラリア州に入って流路を南へと変え、河口でアレクサンダー湖、そしてグレートオーストラリア湾へと注ぐ。マレー川は「グレートリバー」とも呼ばれ、流域の水の供給源をなしている。■最初のロック&ウィアーサウスオーストラリア州の州都アデレードの北東方約135km、そしてマレー川の河口から約275km遡上したところに、人口300人足らずの町ブランチタウンがある。ここには、マレー川を横断する河川構造物「ロック&ウこうもんィアー1号」がある。ロックは閘門(上下流にある水門により内外の水位差をなくして船舶を航行させる施設)せきを、そしてウィアーは堰を意味する。ロック&ウィアー1号の着工は100余年前の1915年6月。開通は1922年4月で、現在はSAウォーター(サウスオーストラリア州政府水資源局)が運用と管理を行っている。この1号閘門は、1853年にマレー川を最初に航行した船長の名にちなみ「ウィリアム・リチャード・ランデル・ロック」と命名されている。現在でも閘門開閉数は年平均1,000回を超える。なぜロック&ウィアー1号が「グレートリバー」のマレー川に建設されたのだろうか。020Civil Engineering Consultant VOL.274 January 2017