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概要

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ロック&ウィアー1号は、右岸側の閘門と堰から構成されており、全長は200m近くにもなる。閘門は上下流の鋼製水門、両水門間のコンクリート製閘室、そして制水弁からなり、閘室のサイズは長さが83.8mで、幅が17mである。閘室の水位はポンプを使わず自然流下で上下する。7分で満水写真2閘門または空虚になり、船舶の通過には15~20分かかる。予約は不要で、無料で通過できる。24連ある堰の全長は168.85mあり、マレー川で最も長い堰である。3.2mの上水面と0.75mの下水面の水位差2.45mを調整できる可動堰である。堰の上部に敷かれたレール上を走行する重機によって、水位調整用堰板を縦方向の溝に落とし込んで、水位を調整する構造になっている。24連のうち右岸(閘門)側の10連の堰は、洪水時に船や丸太が妨げられずに通過できる設計になっている。そのうち閘門に接する5連の堰は、支柱自体が鋼製で取り外しが可能で、洪水時に施設の損傷を防止するため、閘門を使わずに船舶の航行ができるように工夫されている。閘門と堰を除く施設としては、直径15cmほどの給水パイプとポンプ小屋が右岸にひっそりと佇んでいるのが見られるだけで、大規模な灌漑施設は存在しない。連邦政府と灌漑3州による、マレー川とダーリング川写真3右岸側の取り外し可能な5連の堰の水の、公平で効率的で持続可能な利用を協力して行った土木事業は、その偉業が称えられ、ナショナル・エンジニアリング・ランドマークとして認定されている。ロック&ウィアー1号右岸の展示施設横に記念碑が建立されている。■魚道の構造ロック&ウィアー1号の左岸には、魚類の遡行が妨げられないようにするための構造物である魚道が設置されている。魚道は5つの水門を備え、河川水位に応じてそれらを開閉することで魚類の遡行を手助けしている。魚はスロットと呼ばれる幅10cmの隙間を通って、1:32の勾配を克服する。また、魚道には魚を捕獲できる装置がある。捕れる魚はコイが多く、2013年度には13万匹が捕獲された。捕獲された魚にはPITタグと呼ばれるマイクロチップが埋め込まれ、位置が経時的に検出・記録される仕組みができている。それにより8~9月にはロック&ウィアー1写真4重機移動用のレールがある堰写真5水位調整用堰板(右下)とその設置用重機022Civil Engineering Consultant VOL.274 January 2017