ブックタイトルConsultant274

ページ
25/72

このページは Consultant274 の電子ブックに掲載されている25ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

Consultant274

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

Consultant274

写真6ナショナル・エンジニアリング・ランドマークの記念碑写真7左岸側にある魚道施設写真8 魚道の仕組み(現地説明板)号の下流域に、10~11月には上流域と、季節によって棲息域が移動していることが把握されている。これは魚道操作の運用の研究に役立てられている。■施設の運用とメンテナンスロック&ウィアー1号では、3名程度の現地保守担当者が駐在して日常の管理や運用にあたっている。これに加え、あらかじめ設定されたメンテナンスプログラムに沿って、定期的に施設維持が行われている。このプログラムでは年間の実施時期とその時の実施内容が事細かに設定されている。7名の保守担当者名と各自が担当すべきスケジュールが明示され、時系列に沿って年間のスケジュールが週単位で順次、消化されてゆくことになっている。これにはマクシモと呼ばれる資産管理システムが用いられており、それによって作業の完了や更新状況などの情報が組織内で共有される。■流域を支えるマレー川は舟運のほかにも重要な役割を担っている。それは都市部への給水だ。ブランチタウンからマレー川に沿って18kmほど下ると、SAウォーターの取水施設がある。ここでポンプアップされた水は、パイプラインによりはるばるアデレードまで運ばれている。パイプラインの直径は約1.5mで、道路脇に設置され、地面を這うように荒野の中を一直線に延びる。道にはパイプラインロードという名が付けられている。ここが乾燥地帯であることを実感させてくれる。また、パイプラインは、荒野の中だけではなく、アデレード東部のみどり多い高原も横断して、カンガルーやエミューが棲息している草原や牧草地を通過している。写真9牧草地を通過するパイプライン現在では商業舟運は姿を消してしまったものの、灌漑機能と、特にツーリストやレクリエーション用の舟運はこれからも必要になってゆくことだろう。マレー川、ロック&ウィアー、そしてパイプライン。これらが適切な水管理のもとで、流域の人びとの生活に重要な役割を演じてゆくに違いない。<参考資料>1)『Lock1?Blanchetown Construction, Maintenance & Operations』Presentation資料SA Water 20162)「South Australian Water Corporation(SA Water)ホームページ」(https://www.sawater.com.au/community-and-environment/the-river-murray)3)「Blanchetown, South Australia home of Lock No 1ホームページ」(http://www.murrayriver.com.au/blanchetown/)4)『River Murray Navigation』MURRAY-DARLING BASIN COMMISSION5)『これならわかるオーストラリア・ニュージーランドの歴史Q&A』石出法太/石出みどり2009年大月書店<取材協力・資料提供>1)SA Water(Garry Fyfe)2)Kayoko Todd(通訳)<図・写真提供>図1作成:株式会社大應図2、写真1 SA WaterP20上、写真3、9有賀圭司写真2、7大角直写真4、5塚本敏行写真6箕輪知佳写真8茂木道夫Civil Engineering Consultant VOL.274 January 2017023