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写真6ココナッツマット写真7防護壁代わりのコンテナ写真8コンテナで造られた仮設ショッピング・モール「Re.START」写真9カセドラル・ジャンクションに停車中のトラムは余震活動が活発化した。被災したインフラ等もほどなく復旧した。しかし、翌年2月のクライストチャーチ地震からは、インフラの恒久的復旧計画を止め、一時的な対応に変更した。それは多くの余震、それも大きい余震があり、その都度被災してしまうからである。そのため、下水等はパイプを地表に通すことで一時的な復旧を行っている。この方法は余震にも耐えることが出来た。■大活躍のコンテナ地震後、ポートヒルでは崖沿いの道路端に、コンテナが数多く並べられていた。これは崩れて来た岩や土砂が道路を塞がないようにするための防護壁代わりである。コンテナにはバラスト等を入れ重くして安定性を確保している。コンテナがプレキャストの防護壁に転用できるとは驚きだ。近くに木材を搬出するリトルトンの港があり、コンテナはそこから搬入したようだ。現在は復旧が進み、あまりコンテナは見かけなくなった。市中心部でもコンテナは建物のカウンターウェイトや土留め壁に利用され大活躍だった。そのコンテナを利用したショッピング・モール「Re.START」がある。日本の仮設店舗に比べると、コンテナなのにとてもオシャレに見えるのはなぜだろう。クライストチャーチ地震から約2年半後にトラムが復旧した。トラムは6台で運行しているが、観光客が少ないオフシーズンは3台となる。気さくな運転手の方はガイドも兼ねているようだ。レトロなトラムは地震から復興しつつあるクライストチャーチの街を見守り続けることだろう。(文塚本敏行)<参考資料>1)『Christchurch Central Recovery Plan』Canterbury Earthquake RecoveryAuthority(CERA)20132)『Canterbury Earthquake Sequence 2010-2011 Overview of Land Damageand Recovery』Tonkin+Taylor 20163)『環太平洋地域の地震災害と復興―比較地震災害論』植村善博2015年古今書院4)『るるぶ情報版ニュージーランド』2014年JTBパブリッシング<取材協力・資料提供>1)Linda Paterson(Host & Visit Management)2)Mike Jacka(Tonkin+Taylor)3)Brenden Winder(Land Information New Zealand Ferrymead office)4)Hiromi Jin’o(通訳)<図・写真提供>図1Canterbury Earthquake Recovery Authority図2Tonkin+Taylor写真1、3、4塚本敏行写真2油谷百百子写真5有賀圭司写真6、7大角直写真8茂木道夫写真9箕輪知佳Civil Engineering Consultant VOL.274 January 2017041