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スマートコミュニティの実現■本業務の3つのアプローチ1スマートコミュニティに関する理解の向上・ゲストスピーカーによる勉強会・先進事例への見学会等情報収集段階的なアプローチ・地域内で規模が大きい・効果を実感しやすい・住民等への啓発効果の大きい公共施設からスタート2事業組成を想定した支援3導入のためのガイドライン作成・地域課題の整理・事業モデルの提案とその導入効果等の検討・業務成果のまとめ・取り組みの考え方、体制等の整理図2スマートコミュニティ実現のための考え方少子高齢化に対応した持続可能なまちづくりを実現する自立分散型の社会経済システムと言えます。■本業務の目的図1は本業務内で作成したスマートコミュニティのイメージを示しています。このような社会システムを目指すことが最終目的ですが、東京都内の自治体におけるスマートコミュニティの導入には、従来のエネルギー需給体制やエネルギーの使い方の転換などが必要となります。しかし、一足飛びでこのような社会を実現することは困難で、段階的にスマートコミュニティの実現を目指すことが現実的です。最初のステップは、地域内で規模も大きく効果が実感しやすく、住民等への啓発効果が大きく、まちづくりの将来方針を定める立場である公共施設等を中心に導入が進められることが望ましいと考えます。本業務では、東京都内の自治体職員自らがスマートコミュニティの必要性を理解し、職員の手でスマートコミュニティを構築していくことができるように、「1スマートコミュニティに関する理解の向上」「2事業組成を想定した支援」「3導入のためのガイドライン作成」といった段階的支援を、平成24~27年度までの4年間で実施しました(図2)。■スマートコミュニティに対する■理解の向上業務着手時、スマートコミュニティという言葉を聞いたことがあると答えた自治体は少なく、スマートコミュニティ関連の施策を実施あるいは計画している自治体は東京62市区町村のうち2区のみという状況で、ほとんどの自治体職員が「何をやったらいいか分からない」といった状態でした。そこで、スマートコミュニティに対する理解を深め、それを自治体職員の仕事にどう役立てるかを把握するため、勉強会と先進事例への見学会を企画し、自治体職員がスマートコミュニティに関係する事業等を見聞できるようにしました。勉強会ではゲストスピーカーによる講演をメインに、先進的に取り組んでいる自治体や民間企業の担当者から、実際に取り組むにあたっての課題等を話してもらいました。官公庁、特に国からはスマートコミュニティに関連する施策や補助事業等を紹介してもらいました。学識者や金融機関の関係者などからは海外を含む先進事例の紹介だけでなく、スマートコミュニティに関する新しいビジネスや事業組成のためのファイナンスの考え方について学び、4年間で16回の勉強会を開催しました(写真1、表1)。本業務で実施したアンケート調査によると、スマートコミュニティの周知度は年々増加し、平成26年度には「スマートコミュニティを聞いたことがない。内容も知らない」と回答した自治体はゼロになり、スマートコミュニティという言葉は着実に浸透していきました(図3)。勉強会の回数を重ねるにつれ、都内の自治体職員からも講演して頂くようになり、似たような地域課題をもった自治体同士で活発な意見交換が行われるようになりました。先進事例への見学会では、経済産業省の補助事業である北九州市と横浜市での取り組みをはじめ、4年間で9カ所の見学会を実施しました。その他の5カ所についても資料収集とヒアリングを実施し、その結果を勉強会で報告し、多くの情報を提供してきました(表2)。Civil Engineering Consultant VOL.274 January 2017043