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平成28年度WAVE・JCCA欧州インフラ事情調査に参加して平成28年度欧州インフラ事情調査報告四電技術コンサルタント土木事業部福井哲也FUKUI Tetsuya■はじめに私はこれまで、欧州はテレビや雑誌でしか見たことが無く、遠い世界に感じていたが、幸運にも「平成27年度建設コンサルタント業務・研究発表会」において、優秀賞を受賞し、その副賞として、「平成28年度WAVE・JCCA欧州インフラ事情調査団」の一員として参加させて頂くことになった。今回の視察は、平成28年6月8日~6月17日の10日間で、スペイン、フランス、スイス、ドイツの4か国14都市を視察するという日程であった。出発前、初めての欧州という楽しみと、旅慣れていない私にとって、このような過密日程に耐えられるのかという不安とが入り混じった複雑な気分であった。しかし、出発後は、このような心配もどこ吹く風、見るもの聞くもの全てが新鮮(斬新)であり、疲れを感じないまま、あっという間に時間が過ぎ去った。今回、多くの視察の機会を頂いたが、本報告では、このうち、私が常日頃関わっている河川関係について印象深く感じたことを述べさせていただく。■トゥリア川の旧河道で宇宙基地を目撃!欧州で最初に降り立った地、スペインバレンシアにて私は最初の衝撃を受けることになった。ソフィア王妃芸術宮殿(オペラハウス)レミスフェリック(プラネタリウム)フェリペ王子科学博物館写真1トゥリア川旧河道の芸術科学都市バレンシア市内を流れるトゥリア川は、1957年の大洪水を契機に河道を付替え、旧河道は巨大公園(総延長10km)として整備された。公園内には、科学教育と芸術の為に建設された現代建築の集合体である「芸術科学都市」が存在し、その景観に圧倒された。それは、まるで宇宙基地のような光景であったが、説明によると、これらは、オペラハウスやプラネタリウム、科学博物館のようである(写真1)。私が行う業務では、これらは、デザイン的には良いが、施工性や維持管理の問題より必ず、「困難である」と評価してしまうに違いないないが、何に重きを置くかによって全く異なったものが出来上がってしまうというのを改めて感じた。視察時に、建物外部のガラス清掃が行われていたが、清掃のしづらさなど、意にも返さない感じであった。■赤穂浪士討ち入りの時代にまさか...ミディ運河フランス国内を流れるミディ運河は大西洋に河口を持つガロンヌ川と地中海との間を結ぶ約240kmの運河であり、1666年に着工し、1694年に完成した。1996年には世界遺産に登録されている。運河の幅は平均20m、水深は平均6mであり、運河を通すにあたって支障となる山岳地や河川横断箇所においては、当時の最高水準の技術を駆使し、運河トンネルや運河橋、多数の閘門が施工されている。このうち、楽しみにしていたフォンセランヌの7段ロック(閘門)については工事中のため残念ながら視察できなかったが、オルブ川を渡るベジエ大運河橋(写真2)やマルパの運河トンネル(写真3)を視察することが出来た。レミスフェリックの清掃状況060Civil Engineering Consultant VOL.274 January 2017