ブックタイトルConsultant274

ページ
66/72

このページは Consultant274 の電子ブックに掲載されている66ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

Consultant274

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

Consultant274

平成28年度WAVE・JCCA欧州インフラ事情調査に参加して欧州インフラ事情調査報告国際航業株式会社技術本部地理空間基盤技術部デジタルセンシンググループ佐々木洋一SASAKI Yoichi■はじめに私は、入社以来主に測量やGISといった地理空間情報関連の分野の業務に従事してきた。私が所属する会社は、地理空間情報と建設コンサルタントそれぞれの技術者が協力して案件を進める事が多く、私は道路分野の案件をいくつか担当していた。そのような事もあり、上司から突然「応募しておいたからチャレンジしてみて」と言われたのが、平成27年度建設コンサルタント業務・研究発表会であった。そこで「クラウド型点検支援システムの開発・運用による業務改善」と題した発表を行い、光栄にも最優秀賞を受賞した。その副賞としてこのたびの「欧州インフラ事情調査」に参加させていただく事となった。出発前は、他の参加者(建設コンサルタントとして各分野の専門家の方々)の中に溶け込めるのか、話題についていけるのか大いに不安を感じていた。しかしながら、中村先生は優しく測量の話を振ってくださり、参加者の皆さんとは仕事だけに限らず様々な意見交換をさせていただき、旅程の途中からは当初の不安を忘れるくらい充実した体験をすることができた。本稿では、平成28年6月8日~17日の10日間で、4カ国の14都市を巡った中でも強く印象に残った事について紹介する。■過去の技術者たちが残した偉大な土木遺産視察した土木構造物の中で特に印象に残ったのは、17世紀に当時の土木技術の粋を集めて完成した「ミディ運河」である。ミディ運河は、フランスのトゥールーズと地中海に面したトー湖との間を結ぶ約240kmの水路である。19世紀に鉄道が敷かれるまでは重要な輸送ルートであったが、現在は、運河クルーズで人気の観光地スポットとなっている。今回は、ミディ運河がロルブ川の上を渡る運河橋と、世界初の運河トンネルである「マルパストンネル」を視察することができた。残念ながら、有名な「フォンセランヌの連続ロック」は工事により行くことができなかったが、それでも、300年以上前に作られたにもかかわらず現在も観光船の通行を可能にしている堅牢な作り、高写真1ミゲレテの塔の屋上に設置されていた三角写真2ロルブ川に架かるミディ運河の「運河橋」【ベジエ】点(大興奮したのは私だけ)【バレンシア】064Civil Engineering Consultant VOL.274 January 2017