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特集交通手段?あなたは何で移動する??3移動制約者への配慮稗方和夫HIEKATA Kazuo東京大学大学院新領域創成科学研究科/准教授本多建HONDA Ken稗方研究室協力研究員人は、生活するうえで買物、通院、通学、通勤など移動が生じ、そのための交通手段は確保されるべきである。しかし現在、交通手段を制約されている人も多く存在する。そんな移動制約者に配慮した交通手段のひとつであるデマンド交通とはどんなものだろうか。移動制約者の特徴と路線定期運行の限界高齢化率が27%を超え、世界でも類を見ない超高齢社会と言われる中で、路線バスの縮小や撤退により、わからないので、利用予約をしてもらい、その都度ルートや時刻を決めて運行するデマンド対応型交通、いわゆるデマンド交通を用いることが考えられる。日々の生活に必要な移動さえもあきらめる移動制約者が高齢者を中心に増えている。外出したい気持ちがあ表1通勤通学者と移動制約者(高齢者)の移動特性っても、行きたい所へ行く手段がない移動制約者に対し、多くの自治体でコミュニティバスの導入を行ってきたが成功事例は限られている。コミュニティバスは、自宅近くでの乗降などで利便性を高めるためきめ細かなルート計画が行われてきた。しかし、月に1日程度しか利用しない移動制約者の移動特性(表1)に対して、コミュニティバスは通勤通学などの大量輸送に適した路線定期運行を行っているため、効率の良い輸送を行うには限界がある(図1)。移動特性に合わない公共交通を導入しても、利用者が増えず運行継続が困難となってしまうばかりか、移動制約者が移動意欲を失い、引きこもり、寝たきりとなり、結果的に医療費が増大する等の社会問題にもなってしまう。では、どうすればよいのかというと、・移動発生頻度が月1回程度のため、100人の利用者が自宅近くで乗降利用者が待っているバス停だけを結できるように100か所バス停を作っても、1日に使われるのは3か所程度んで運行すれば問題は解決する。し「だれもいないバス停を乗客のいないバスが走ってゆく」(そこかしこでよくみる光景)かし、利用者がいつどのバス停を利用するのかはその時になってみないと図1コミュニティバスの限界通勤通学移動制約者(高齢者)移動時間帯朝と夕方に集中昼間の時間帯に広く分布移動方向ほぼそろっている移動方向はかなりバラバラ発生頻度ほぼ毎日発生月に1日程度の発生022Civil Engineering Consultant VOL.280 July 2018