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ークのラストワンマイルという表現もなされるようになっている(ラストワンマイルという場合は、電車降車後の1.6km利用ということになり、駅密度の低い都心地区のイメージになり、東京や大阪にはそぐわない)。パリのオートリブ(写真5)が典型であるが、電気自動車の普及戦略とも連携している。ステーションで充電できることは、航続距離に課題のある電気自動車にとっては有利なシステムともいえる。電気駆動のいわゆる超小型モビリティと呼ばれる小型の自動車についても、その活躍の場面として、ステーション充電式の短距離短時間利用のシステムはもっとも適したものといえる。これらの議論には、実際の都心地区で「どのようなモビリティ(移動可能性のこと)ニーズがあるのか」「どの問題を解決し写真5仏国・パリの電気自動車シェアリング「オートリブ」て社会貢献をするのか」という意識は必ずしも強くない。必要で、それによって、安全な輸送が保証される仕組み公共交通利用に不便を感じていた人たちが好んでカーであることがUberのモデルと整合しない。換言すれば、シェアリングを利用する傾向があるが、都市全体として二種免許と営業車ナンバーによりUberは可能となるが、は、自動車の台キロ(総走行距離)を増やす方向の施間違いなく料金は高くなってしまう。策になりつつある。都市としては、道路混雑、交通事故、一方で、アジアの他の国々では普及が著しい。応用とエネルギー消費の点から、台キロを減らすことが求めらして、オートバイタクシーのスマートフォンアプリシステムれている中で逆行する傾向があると理解できる。も普及が進んでいる。インドネシアのGO-JEK(写真6)自動車を保有することをやめて、必要なときにカーシェは、コンシェルジェサービス付の優れたサービスである。アを利用するライフスタイルは、北米でもみられるように試行レベルのシステムでは、数人乗りの車両で、異ななってきており、今後増加することが予想される。その背る乗車場所および降車場所の利用者が同じ車両に乗景には、システムの使い勝手がよくなったこととともに、り合うものもあり、ライドシェアのシステム内容は幅広自動車保有に比べて個人の支払いコストが小さいことをい。しかし、現在世界各国で普及しているものは既存のあげることができる。MaaS(Mobility as a Service)と呼タクシーサービスに代替するものであり、タクシーサーばれる、さまざまな交通手段の情報提供と予約と決済をビスの質が低いことへの反発が普及を後押ししているワンストップサービスで行うアプリケーションによって、自とみなすこともできる。利用者もタクシー利用からの転動車利用のコストが顕在化していくことも、この流れを押換、そして公共交通からの転換が多いように見受けられしつつあるものといえる。る。そして、カーシェアリングよりもさらに顕著に、都市内の台キロの増加に寄与している懸念がある。また、都ライドシェアリング市全体でトリップ数が増え、乗降場所についての規制も米国発のUberがその典型例になるが、一人乗り自動ない中で、市街地内道路のあちらこちらで乗降される車運転者と移動ニーズをスマートフォンアプリなどでマ結果、道路混雑の悪化に貢献してしまう可能性も否定ッチングさせていくもので、結果的に、利用者からするできない。と、タクシーよりも便利で安価なシステムとなって人気を呼ぶことになる。シェアリングの意味づけ日本では、いわゆる自家用車による有償運送行為と前節までで概観したように、都市交通システムの中でなるので原則的には認められない。人間を乗せて料金のシェアリングシステムの普及は、いろいろな側面を有しをもらうには、専用の自動車運転免許(いわゆる二種免ており、それらは、いくつかの視点から意味づけするこ許)と専用の自動車登録(いわゆる営業車ナンバー)がとができる。028Civil Engineering Consultant VOL.280 July 2018