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2鳴り石カフェ3ひまわり畑鳴り石の浜プロジェクト平成23年2月、琴浦町を通る山陰自動車道が開通したことにより、主要道路である国道9号の交通量の急減に伴う、町の衰退が懸念されていた。そのような状況の中、「“地元の魅力的なもの”を発信できたら車が高速道路から降りてきてくれるのではないか」と地元有志が立ち上がった。そして“地元の魅力的なもの”を徹底的に調査してたどり着いたのが「鳴り石の浜」だったのである。当時、この海岸は漂着したゴミだらけで、近隣住民も近寄らない寂しい場所であった。有志たちは近隣住民に声を掛け、同年6月に「鳴り石の浜プロジェクト」を発足させた。海岸の清掃活動から始まったこのプロジェクトは、これまで独自のアイデアと行動力を武器に地域住民を巻き込む様々な取り組みを行ってきた。ここを起点としたウォーキング大会の開催や漂着ゴミを使ったアートの作成、「海岸の場所がわかりにくい」との声に応え、県内外から集めた寄付金によりランドマークとなる「鳴り石の塔」の建設などを行った。また、毎年夏に行われる「鳴り石祭り」には1,000人を超える人々が集い、アマチュアバンドによるライブや地元のグルメ等を楽しめる。そして海岸へ繋がる広い駐車場には、かつて土産物屋だった空き店舗を再利用した「鳴り石カフェ」がオープンしている。そこでは地元婦人会が観光客に手作りランチや飲み物を提供している。これらの取り組みが評価され、このプロジェクトは総務省「平成28年度ふるさとづくり大賞」の団体表彰を受賞した。この海岸は鳥取県を代表する自然の観光地として、また地域活性化のモデルケースとして全国から注目されている。魅力あふれるおらが町の風景海岸に向かう樹木をくぐりぬけると、目の前に真っ青な海と空が飛び込んでくる。大きく深呼吸したくなるほど気持ちのよいこの海岸の風景を見ていると、時の流れを忘れてしまう。同時に「ゴロゴロ」「カラカラ」と心地よい石の音が身体全体にしみわたる。もう一つの活動として、東日本大震災で被災した岩手県陸前高田市から送られたひまわりの種を「はるかのひまわり絆プロジェクト」として育てている。海を背景に咲くひまわりは全国的にも珍しく、毎年お盆の頃には海岸沿いに2,000本のひまわりが美しく花を咲かせ、見る人に勇気と元気を与えている。<写真提供>1:鳴り石の浜プロジェクト2:山上英之3:鳴り石の浜プロジェクトCivil Engineering Consultant VOL.280 July 2018039