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Project 1 briefプロジェクト紹介南木曽岳周辺渓流荒廃状況調査筒井胤雄TSUTSUI Taneo株式会社パスコ中央事業部/技術センター河川技術室室長兼コンサルタント技術部副部長ついて検討したものである。■はじめにる。そのため、土石流の発生源とな040Civil Engineering Consultant VOL.280 July 2018長野県木曽郡南木曽岳周辺地区では、古くから土砂災害を繰り返していることが記録に残っている。近年では平成26年7月9日、南木曽町よみかき読書地区の南木曽岳西側斜面に位なしざわ置する梨子沢において土石流が発生(H26南木曽災害)し、下流集落において死者1名、負傷者3名、家屋の全半壊10棟という甚大な被害が発生した(図1)。梨子沢に隣接する大沢田川においても、昭和40年と41年に連続して土石流災害が発生している。これら土砂流出の有無とそのサイクルは、渓流内の河道に徐々に蓄積された土砂の多寡に大きく影響を受けていることが指摘されている河床に堆積した土砂の経年変化を調べることは、土石流の発生予測に寄与するのではないかと考えられる。また、同じ木曽川水系においても、地質が異なる岐阜県中津川市側の恵那山を源頭部とする本谷上流域では、平成25年に完成直後のえんてい堰堤が台風18号により土砂5,900m 3を補足し、1日で満砂した事象が確認されており、H26南木曽災害が発生した読書地区とは異なる土砂流出である。本業務ではこれら2地区(図2)での土砂流出特性を各種計測技術により把握し、土石流発生予測を行うためのモニタリング手法の一つとして、土砂流出の発生のしやすさに■検討した計測技術の概要近年の計測技術の進展は著しく、宇宙には地球観測を目的とした人工衛星が次々と打ち上げられており、計測機器を搭載する航空機も従来のセスナやヘリに加え、近年ではドローンに高精度カメラやレーザー計測機の搭載で、使用する計測機器の選択肢が広がっている。人工衛星に搭載された光学センサーでは、地上分解能1m未満の高分解画像データの取得が可能となっている。また、SAR(Synthetic ApertureRadar:合成開口レーダー)は波長が長く、雲を透過するため、災害直後の天候回復前においても干渉SAR解析(位相を用いて対象の変動量大大神梨小沢戸戦を検出する技術)により地形変化の子梨田沢沢沢子川把握が可能となっている。そして、航沢空カメラは画像を取得するだけでは木曽川図1 H26南木曽災害時の読書地区(H26.7.11撮影)図2対象流域の位置図