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図5 PALS撮影状況図6作成した3Dモデル図7 UAV飛行状況■現地踏査従来から行われている通常の現地踏査は徒歩による調査となるため、崖や滝、堰堤等があると踏査日数が多くかかり、急崖等を登るため滑落等の危険を伴う。冬季となった今回は沢が凍結している箇所も多く、山頂部までの踏査は危険と判断し、主に中流部までの現地確認のための踏査とした。■各調査手法のまとめ各種調査手法にはそれぞれ特徴図8 UAV調査結果があり、これらを組み合わせて活用位置や傾きを推定した画像から、3次元形状の高密度点群を生成し、テクスチャー合成することで3Dモデルを作成するものである。この3Dモデルを用いて崩壊地等の判読を行った。■UAVを活用した調査UAV(Unmanned Aerial Vehicles:ドローン)はこの数年で技術が飛躍的に進展し、安全かつ簡易に空中からの高画質撮影等が行えるようになった。一方、航空安全上有視界飛行が原則のため、電波状態の良好な下流域から山頂部まで飛行させることは困難であることや、V字谷の山間部では捉えられる衛星数が少なく、安定飛行が困難なことなど、流域の下流から上流まで撮影するにあたっては留意すべき点がある。本調査では調査対象流域が急峻な山間地であり、UAV機体はできるだけ目的物に接近して飛行する必要があるため、携行可能な小型かつ高性能カメラが搭載できるPhantom4 Pro(DJI社)を用いた。UAVは人が歩くより効率的に調査が可能であるが、目視飛行範囲が500m程度であるため、延長が長い渓流では、屈曲部や500m間隔で人が歩いて離着陸位置まで移動して調査を行うことになる。人が目視確認できない山腹の崩壊地を含め連続画像が取得できるため、現地踏査に比べると効率が良い。することで、目的に見合った精度で効率的な調査が可能となる。本業務ではこれら各種手法から得られたデータを効率的に活用し、積雪前の短期間で調査した結果を土砂流出のしやすさの評価に活用した。■梨子沢の土砂流出形態H26南木曽災害における梨子沢での土砂生産源(河道侵食区間)は主に中~上流に分布し、その渓床勾配は一般的に土石流が発生する勾配である15度以上であることが分かった(図9)。梨子沢源頭部は、南木曽岳山頂部付近が若干緩勾配となっているため山頂部では侵食が見られず、概ね上流からの勾配が25度を超える付近から下流側で発生していること