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が明らかとなった。■監視すべき土砂堆積区間の■評価梨子沢での土砂流出形態に基づき「上流側から25度を超える地点~渓床勾配15度以上の区間」の河道堆積土砂の分布が土砂流出のしやすさへ影響を与えていると考え、該当する土砂を評価対象土砂として5渓流(大梨子沢と小梨子沢は下流域で合流するが別渓流として評価)で比較した(図10)。その結果、評価対象土砂量は神戸沢が最も多くなった。評価対象土砂の分布図からは、流出しやすい土砂が流域のどのあたりに分布しているか把握した。これより今後監視すべき土砂の分布位置を明らかにした。また、本谷上流においても同手法により評価対象土砂の分布区間を示したが、これは梨子沢での土砂流出特性に基づくものであることから、より精度の高い評価を行うためには、本谷での土砂流出特性に基づく評価を今後行っていく必要がある。図9 H26南木曽災害で流出した土砂の分布特性(m)(m)(m)(度)(度)(m)■おわりに本業務では各種計測技術を活用して、これまで現地踏査に依存してきた渓流調査の効率化及び精度向上を図った。同時に、各種計測技術の特徴を生かした定量的な調査を行うことで、土石流の発生を監視すべき土砂の分布を把握し、梨子沢災害の事例を基に周辺渓流の評価を行った。今後は、さらに特性の異なる渓流における調査や検討を蓄積し、監視すべき土砂堆積の場所を特定することにより、災害の抑止への活用につなげていきたい。(m)(m)(m)図10読書地区の流出土砂評価結果(度)(m)(度)Civil Engineering Consultant VOL.280 July 2018043